吸い込まれそうな青空に、朴の花の咲いているのを発見した、という。きつと、作者は高台にいて、朴を見下ろしているに違いない。青と白の色の対比が明快である。
と言うのも、私の窯場には樹高十メートルを越える朴の木が二本あり、毎年、純白の大輪を咲かせてはいるが、朴は葉が大きく、花を支えるように掌状になっているので、見上げても葉に隠れていて、ついつい見逃してしまう年のほうが多い。香りも素晴らしいというが、余りに高いところにあり、下まで届くことはない。しかし、今年は早々と朴の花を発見した。
その代わり、秋になって葉が落ちると、穴の開いていない葉を集め、朴葉味噌で一杯やるのが呑兵衛の楽しみである。
ヒナゲシ(雛芥子)