吊るし雛は、江戸時代から始まったようである。高価な雛人形とは異なり、近隣の仲良しの女性たち、母親や祖母が吊るし雛作りに集まり、娘の成長を祈りつつ、わいわいがやがや、あーでもないこーでもないとアイデアを出し合って、布や紙、糸などで様々な雛を手作りするのである。
人形以外に手毬(幸せ)、鶴亀(長寿)、三角(無病)、うさぎ(魔除)、巾着(お金)、本(学業上達)、犬(安産)、海老(長寿)など、様々な縁起ものを作り、吊るしたのである。
そして、吊るされた雛たちを揺らせば、一斉に雛人形たちはあーでもないこーでもないとおしゃべりを始めるのである。