一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1482   癌の吾れに花見虱のよそよそし   勲

2015年04月09日 | 

 花虱(花じらみ)は、桜の花が咲く頃、這い出るシラミ。私は、シラミを見たことがない。日本ではとっくに絶滅したと思っていたら、こういう俳句があるのだから、そうでもないらしい。

 人間につくシラミは、3種あるという。アタマジラミは頭髪に、コロモジラミは衣服に、ケジラミは陰毛部にそれぞれ主な生息場所としており、それぞれそこで繁殖して数を増やすのだ。

 シラミの語源については、「白虫」の転訛であるという説が有力である。字体(虱)から「半風子(はんぷうし)」とも呼ばれる。さらにその形から千手観音という異称もあったことが横井也有の『百虫譜』などにも見え、第二次世界大戦後の大発生期には隠語風に「ホワイトチイチイ」と呼ばれたという。

 さて、シラミが親しげだったら大変だが、よそよそしいのは結構なことだと思うが・・・・・癌になると知人達は、いつもと態度が必ず変わるはずだ。それを作者は、よそよそしく感じるのだろう。更にシラミまで・・・何という深い孤独感。

 

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