一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1463   綿菓子に幼な佐保姫駄々こねし   六甲

2015年03月12日 | 

  佐保姫とは、奈良・平城京の東の佐保山(現在の奈良県法華寺町法華町)に宿ると考えられている春の女神のこと。白く柔らかな春霞の衣をまとう若々しい女神と考えられている、そうである。

 「ちょっとちょっと、笑わせないでよ、佐保姫をそんな風に使っていいの。綿菓子を欲しがって駄々をこねている女の子を佐保姫に例えているだけじゃん」

 「まあ、お待ちなさい。平安時代中期の平兼盛の和歌に

佐保姫の糸染め掛くる青柳を吹きな乱りそ春の山風

(佐保姫が染めた糸を掛けた柳の枝を吹き乱さないでおくれ、春の山風よ)

というのがある。柳の瑞々しい若葉を佐保姫の染めた糸に例えている。つまり、昔から日本人はこういう例え話が大好きなんですよ。

この句は確かに馬鹿馬鹿しいけれど楽しい例えなんですから、固いこと言わずに是非許してやって下さい。これが俳味ってもんじゃないですか」

コメント
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