(しのびねや はじまるあめの いちにちが)
一面の青葉の世界がやってきた。初鰹も食べた。そして昨日,ホトトギスの初鳴き,
いわゆる「忍音」を聞いた。台風1号が列島に接近して、一昨日から雨が続いていた。
ホトトギスは、時鳥、杜鵑、子規、不如帰、杜宇、蜀魂、田鵑、などと書かれるが、田長鳥、沓手鳥、妹脊鳥、卯月鳥などとも呼ばれるそうで、その数の多さと人気に驚く。
ヒヨドリより一回り大きく、大陸から渡って来る夏鳥。自分で子育てせず、鶯などの巣に卵を産み育てさせる、いわゆる托卵をする図々しい輩だ。
正岡子規は、結核で喀血したことから、血を吐くまで鳴くと言われるホトトギスから「子規」と名乗った。明治30年に創刊した俳句雑誌「ホトトギス」は、正岡子規の俳号にちなんだもの。
ホトトギスは、天下人の比較にも登場する。
鳴かぬなら殺してしまえ時鳥 信長
鳴かずとも鳴かしてみせふ時鳥 秀吉
鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥 家康
鳴かぬならそれでいいじゃん時鳥 信成
「信成」は、フィギアスケートの織田信成君。
平成の好男子らしい明快な句。
尚、夏は来ぬ(佐々木信綱作詞)の一番に「忍音」があります。
卯の花の匂う垣根に
ほととぎす早も来鳴きて
忍音洩らす夏は来ぬ
オシダ(雄羊歯)