Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

11月18日「ON AIR Vol.3」

2012-11-09 11:31:17 | 告知
奇数月の第三日曜日は清澄白河のそら庵より、朗読オープンマイクのインターネットTV「ON AIR」の日。今回でVol.3。放送終了後にはモリマサ公さん主催の句会もありますよ!

☆☆☆


「ON AIR Vol.3」

2012年11月18日(日)・14時開場/14時30分放送開始(17時頃まで)・入場料1000円+1ドリンク

会場・そら庵
〒135-0006 東京都江東区常盤1-1-1

地図はこちら。半蔵門線・都営大江戸線清澄白河駅A1出口を出たら右側の道に反転して進みます。東京都交通局清澄庁舎のある通りを隅田川方面に直進し、「清澄ハイツ」の交差点を右折して万年橋を渡り、すぐに「芭蕉稲荷神社」の案内表示がありますので、そこを左折します。その道の一番奥です。徒歩約7分。

▽番組パーソナリティ
かとうゆか/大島健夫

オープンマイクは事前予約・当日とも受けつけております。事前予約はパーソナリティのどちらかまで。この記事のコメント欄でも受けつけます。1名あたりの制限時間は5分程度でお願いいたします。会場であるそら庵からのインフォメーションコーナーもございます。

中継URLはこちらより。

放送終了後、前回も好評を博していたモリマサ公さん主催の句会がございます。参加ご希望の方は「冬の句」を3句ほどお持ち寄り下さい。当日その場で書いても構いません。今回は頑張って私も参加しようかと思っています。

夜の「オープンマイクwonder-words」とも、時間的に十分掛け持ちできます。是非、お気軽にお越しください。

Poe御苑

2012-11-08 18:36:55 | 出たもの
とにかく今回のPoe-Tri Vol.53は急な会場変更でドタバタする中、多くの方々に本当に助けられた。そのことにまずは心から感謝したい。

何しろ3-tri-の引っ越しが伝えられたのが11月2日。もしかしたら、間違えて旧3-tri-に行ってしまったお客様もいらっしゃるかもしれない。そのような方は、次回ご来場の際その旨を私までお伝え頂ければ、粗品を贈呈させて頂きます。

仮ずまい先となる「御苑サウンド」は新しくてなかなか綺麗なライヴハウスで、音響もばっちりであった。誰も来なかったらどうしよう、という例の心配も頭をよぎったが、蓋を開けてみればオープンマイク枠も、開場後20分くらいで全て埋まった。ラスト一枠はやっぱりジュテーム北村さんなのであった。重ねて皆様に感謝。

今回のオープニングは、初キャストの北村しいこ


手話による露骨な下ネタポエトリーリーディングというのはありそうでなかったスタイルではあるが、そういった形式云々は別としても、彼女のパフォーマンスには人間の営みに対する、硬直的だったり教条的だったりするものでない、ナチュラルでしなやかな肯定があり、それが心地良い世界を作り出している。

二番手は市毛友里。


丁寧な語り口と完璧な発声、ファンタジックでありながらリアルに迫る一つ一つの詩。しかしとにかくそれより何より「市毛さんが怖い」。それは、稲川淳二の怪談で一番怖いのが語っている稲川淳二自身なのと同じことである。北村しいこで明るく温まった会場を一気に塗り替えた。

後半のキャストはあしゅりん


「今ここ」というたった一つのフレーズに、アップダウンに満ちた日常の断片を収斂させてゆく朗読はきわめて有機的で、これまでのあしゅりん作品とは一味違った。構成の妙はありつつも、その作品を生きている彼自身の姿が泥臭く前面に出てきており、それが説得力を産んでいた。

私は「さかな」を朗読した。

オープンマイク参加の13名は、登場順に、

死紺亭柳竹さん


後藤理絵さん


村田活彦さん


三木悠莉さん


MELODY KOGAさん


菊池奏子さん


葛原りょうさん


uraocbさん


黒川武彦さん


川島むーさん


ケイコさん


カマコさん


ジュテーム北村さん


という面々であった。例によってオープンマイクの内容については書かないので、写真を見て想像してもらえればと思う。

次回、12月5日のPoe-Tri Vol.54も御苑サウンドで開催する。キャストはケイコ/工藤ヒロツグ/広瀬犬山猫/大島健夫だ。

そして新年から、池袋の3-tri-新店舗に再度引越しして開催を続ける予定である。

皆様、また近いうちに。

本当にありがとう。


Poe-Tri 会場移転のお知らせ

2012-11-03 10:32:34 | ニュース
皆様

いつもお世話になっております。大島健夫です。

大変に急ではありますが、重要なお知らせです。

昨夜、3-tri-のオーナーのTさんからお電話を頂きまして、大家さんのご都合により、3-tri-は現在の場所で営業することができなくなった旨をお伝え頂きました。

Tさんもぎりぎりまで交渉を続けてきたものの、やはり今後同じ場所での営業は不可能となり、なんとこの二日間で引っ越しを行うそうです。

今後の展開ですが、ひとまず新宿三丁目の

御苑サウンド

を3-tri-として年内営業し、来年からは池袋の新店舗で新たなスタートを切るという展開となるとのこと。

そのようなわけで、11月7日、12月5日のPoe-Triは、新宿は御苑サウンドで開催いたします。

地図はこちらです。
〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目3-12 光和ビル B1F
TEL:03-3355-7877

開催時間等は全て今までと変わりありません。20時開場20時半開演、入場料1500円+1ドリンクです。

どうか皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。


大島健夫

チェン・スウリー詩集「カフェデリコ・カフェリーニ」

2012-11-01 16:00:20 | 読んだ本


チェン・スウリー詩集「カフェデリコ・カフェリーニ」
東京エレガントス・定価1000円

ウェブマガジン「ジャンク派」代表、チェン・スウリー氏の詩集である。初期の「詩のボクシング」等でも活躍していたチェン氏だが、意外にもこの夏刊行されたこれが第一詩集となる。

その「まえがき」で、彼は中原中也とフェデリコ・フェリーニという二人の巨人への、偏愛とも呼べる熱い思いを吐露する。そして、自分がなぜ詩を書き、発表しようとしているかを正面から述べてゆく。

・・・詩というのは、「言葉」という僕たちにとって最も身近なものを取り扱った表現であるにも関わらず、今日、最もマイナーで、多くの人にとって馴染みの薄い表現へと成り下がってしまっています。これは、詩人の責任です。もっと云えば、内ばかり見て外を見ずコミュニケーションを怠ってきた「現代詩」の思い上がりや勘違いが、詩を「ダサいもの」にしてしまったのです。・・・

無論、「現代詩」の側からはこの一文に反論の余地はあるだろう。しかし、重要なのは、チェン氏にとっては、詩という表現は自己の中で完結するものではなく、自分を取り巻く世界との関係性の中で成立するものであるということであり、そして、何よりも彼自身が、それを知った上でその世界と向き合って生きようという姿勢を有しているということだ。

この詩集に収められた数々の詩には、ほぼ常に一人称の自分以外の誰かが、あるいは何かが出てくる。そうでない詩はほんとうに少ないのだが、その中の一篇、「直進」はこんなふうに始まる。

ぼくがこんなに迷っている今も
迷いなく血は流れ続ける
細胞は蘇生し続ける


外の世界と向き合うという作業は、自分自身とは何者なのかという問いを避けて行うことはできない。自分の外側だけでなく、自分の内側にさえ「他者」が存在することを彼自身が認識していることが、彼が世界を、そこに生きる全ての他者を見つめるビジョンに、優しさを与えている。

詩集は、彼にとって「親友であり、家族」であった、一匹の犬に捧げられている。詩集の最後を飾るのはその犬の運命を切々と描いた、まったく無技巧とさえ言える8ページに渡るリアリスティックな一篇である。それは犬を、いやそうではなく、自分以外の誰か、あるいは何かを深く愛したことのある多くの人間の心を、深く打たずにはおかない。