Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

現地の人になる

2012-02-19 22:43:05 | 出たもの
2月18日、千葉詩亭・第十四回。冷たい風が吹き荒れ、さらに地震が複数回起きるなどタフで不安な状況の中、今回もTREASURE RIVER BOOK CAFEにはたくさんのお客様が集まってくださった。地元・千葉からいらっしゃった方、都内や埼玉、神奈川などからお越しくださった方、山梨から足を運んでくださった方もいる。そのおひとりおひとり、また、ご来場いただけなかったけれど応援してくださった方々に、心から感謝したい。

今回のゲストは三角みづ紀さんである。全国各地で公演活動を行っている三角さんであるが、千葉でのライヴは初めてであるという。開演時間が近づくと、三角さんはお店の外へ出てタバコを吸っている。その表情が明らかに緊張していたので、私は嬉しくなってしまった。この人はこの千葉の街に真剣勝負をしに来てくれているのだ。だから、勝負の前には緊張するのだ。きっと今までもずっとあちこちでいろいろな局面で、こうやって緊張して勝負に挑んで回ってきたに違いないのだ。思わず心の中で拳を握った。

イダヅカマコトが河津聖恵さんの詩を朗読し、続いて三角さんがオーディエンスの前に立つ。



この日は自分の声と動き以外は一切用いず、30分のパフォーマンス。TREASURE RIVER BOOK CAFEの空間から言葉がしたたり落ちていく。三角さんがマイクの前に立ち、そしてそこから離れた時、目の前の世界の色が変わったように感じられた。

ブレイクタイムに入ると、三角さんは『ぶり大根定食』を食べており、そして周りには人の輪ができていた。物販ブースの前に立っていると、大勢の人が三角さんの本やCDを買いに来た。この勝負はいい勝負だったんだ、と思った。

オープンマイク参加者は11名。登場順に、

櫻庭準一さん
さとうさん
OOMさん
merry-andrewさん
林じゅんさん
矢ヶ崎有里さん
矢ヶ崎芳也さん
uraocbさん
ジュテーム北村さん
青葉茂さん
後藤理絵さん

という皆様だった。コント、即興、ホイットニー・ヒューストン。今回もまた、生きている人間の声を聴かせて頂いた。

ラストは私が、「宇宙のがんもどき」と「卒業式」を朗読した。

私は旅が好きだ。旅人にいつも憧れる。でも私はこの千葉で生まれて千葉で育った。千葉にいる時、私は現地の人になる。例えなりたくなくても、現実に現地の人なのだからそれはどうしようもないのだ。千葉詩亭はだから、旅人・イダヅカと現地の人・大島という組み合わせで成り立っている。お客様の中にも、旅人もいれば現地の人もいる。TREASURE RIVER BOOK CAFEは「現地の店」だ。旅人の言葉。現地の人の言葉。旅人の理由と現地の人の理由。それが集まるのが千葉詩亭だ。偶数月の第三土曜日、良ければどなたもそういったことを味わいにいらっしゃって下さい。そんなにたいしたものはありません。でも、どなたにも開かれた輪と言葉があります。そして、素敵な空間とおいしい料理があります。