Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

明日のために。

2011-10-16 16:55:02 | 出たもの
2009年12月に第一回を開催した千葉詩亭も、早いもので次回でいよいよ二周年というところまで漕ぎつけた。何とかここまでやってくることができたのは人の縁に恵まれたおかげだ。全ての関係者、ご来場くださったお客様に心から感謝したい。

毎回、千葉詩亭ではゲストアーティストを呼んでいる。都内でバリバリ活動している人たちは、千葉詩亭でパフォーマンスすると意外な面やそれまで気がつかなかった魅力を見せる。今回の前里慎太郎さんもそうだった。

そもそも慎太郎さんと私は何度も共演しているとは言え、その場所はいつも渋谷の地下とかであった。TREASURE RIVER BOOK CAFEの明るい照明のもと、本棚に囲まれたテーブルに座って、この日の食事メニュー「さんまの煮物定食」を食べている慎太郎さんの姿からして新鮮の一言である。

その慎太郎さんのステージは、熱かった。



創作に携わる人間には、自分の精神世界と外部にあるリアルな世界との接点にかかわる部分を表現しようとするとき、往々にして意識的あるいは無意識的に「回り道をしたりぼかしたりしてしまう部分」がある。だが、慎太郎さんはその中に足を上げて踏み込んでいく。その勇敢な姿勢が、「俺は俺の話をする。そして君の話を聞きたい」という言葉に説得力を与える。始まる前と終わった後で空間の中に存在するエネルギー量を変化させてしまう、素晴らしい30分だった。

オープンマイクにご参加くださったのは8名。

根本明さん
スモールさん
midoさん
死紺亭柳竹さん
OOMさん
三重さん
佐藤さん
米本実さん

という皆さんだった。農業を営むスモールさんは会場でお米と野菜を販売し、好評を博していた。米本さんの自作電子楽器はオーディエンスを興奮の坩堝に叩き込んだ。

オープニングのイダヅカマコトはキース・ダグラスとエルビン・ビショップの訳詩を、ラストの私は自作の「踊れ」と「二人で一緒に電車に乗ろう」を朗読した。

終演後の客席で、初対面の人同士がつながっていく姿を見るのがいつも楽しみだ。この日も面白い出会いがたくさんあった。慎太郎さんは米本さんと意気投合していた。昨日の自分を心から笑えるようになるためには今日をしっかり生きるしかないのだけれど、それを続けていくと時に新しい輪に辿り着けることもある。改めてそのことを強く感じた。

次回、12月17日の「第十三回」は、いよいよ二周年記念の回となる。

いい準備をしたい。お楽しみに。