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マーケティング研究 他社事例 584 「経済活性化はスタートアップの数が指標になるのか?1」 ~質を見極めた確実な支援を~

2020-06-19 08:58:10 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 584 「経済活性化はスタートアップの数が指標になるのか?1」 ~質を見極めた確実な支援を~


世界で日本企業の存在感が薄くなったと言われる場面が増えています。

そのことを端的に捉えているのが、企業の世界時価総額ランキングであると言っているのは、京都産業大学の沈経済学部教授です。

2018年で50位以内に入っている日本企業はトヨタ自動車だけです。

1989年日本の企業が32社も入っていたことを思えば、隔世の感を禁じ得ません。

一方、上位10位以内に入るのは、GAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)や中国のアリババ・テンセントといったプラットフォーマー企業で、業歴が比較的短いのが特徴です。

日本経済が低迷した30年で世界は様変わりし、若く有望な企業が台頭し、世界経済をけん引しています。

もちろん、日本はこうした状況にただ手をこまねいていたわけではありません。

世界水準で勝負できる企業を生み育てようと、スタートアップ活性化に積極的に取り組んで来ました。

成長戦略で起業の動向を測るKPI(重要業績評価指標)として開業率を位置づけ、2019年策定の成長戦略では「アメリカ・イギリスレベル(10%台)」の目標を掲げました。

施策としてスタートアップに対する資金調達の支援、相談体制の拡充などを進めています。

支援は重要ですが、問題は政策の方向です。

沈教授はここに課題があったと指摘しています。

「果たしてこれまでの取り組みは正しかったのだろうか」

沈教授が示すデータと最新の研究成果から理由を探ります。

企業活動と関連して、グルーバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)と呼ばれる世界規模の調査があります。

1999年に日本を含めた10ヵ国からスタートし、2016年には66カ国の国際比較研究へと拡大しています。

主な目的はベンチャー企業の成長プロセスや要因を解明し、各国の経済成長や競争力、雇用などへの影響を定量的に測定する点にあります。

いろいろな切り口がありますが、特に注目していきたいことが2点あります。

1つは起業の活発さを示すTEA(総合起業活動指数)についてで、日本は1999年の初回の調査から一貫してTEAが低いと報告されています。

調査機関を通じてほぼ一貫して最下層に位置し続けていて、単純化していえば、世界で最も起業が起きにくいことを示すと言えます。

もう一つはTEAのデータと各国のGDP(国内総生産)データの関係です。

GDPデータとの関係は、これまでの研究から経済の発展段階を問わず相関関係があることが分かっています。

「開業率の高さとGDPの成長がつながっている以上、低い日本の開業率を上げれば経済が再び活性化する」

日本ではこう捉えられて、GEM調査は政府が起業率などの向上に積極的に取り組む根拠の一つになって来たのでした。

(続く)


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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