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マーケティング研究 他社事例 575 「ベストソリューションを導き出した富士ゼロックス」 ~契約で足かせになった苦い思い出~

2020-06-09 08:28:56 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 575 「ベストソリューションを導き出した富士ゼロックス」 ~契約で足かせになった苦い思い出~


「ゼロックスを統合したとしても、大変だったから、結果的にベストソリューションになった」

2021年3月末でアメリカゼロックス社との契約を終了すると2020年1月6日に発表した富士フィルムホールディングス(HD)の古森会長は約2年間にも渡る交渉を振り返りながらこう発言しました。

ゼロックスの業績不振をきっかけに始まった同社との交渉でしたが、当初は富士フィルムHDがゼロックスを買収する計画でした。

しかし、物言う株主らの反対でとん挫しておりました。

2019年11月にゼロックス株などを23億ドル(当時約2500億円)で買い取り、60年近くに及んだ合弁事業を解消することで一応の決着を見たのでした。

残された焦点が2021年3月末に期限を迎えるゼロックスとの契約を更改するかどうかです。

ゼロックスの前身企業が電子写真技術「ゼログラフィー」を実用化して普通紙複写機を1959年に送り出した経緯から、契約ではゼロックスブランドの使用料を取り決めていました。

富士ゼロックスの負担額は年100億円強です。

欧米市場に進出できない条件もあったと言います。

しかし、今や「向こうから技術をもらう必要もない」と古森会長。

合弁事業を解消した中では、『手足を縛られる』契約の打ち切りも必然だと言えます。

富士ゼロックスは2021年4月に「富士フィルムビジネスイノベーション」に社名を変更し、世界の複写機市場に打って出ます。

業界内には「ゼロックスブランド無しでは厳しい」との声もありますが、古森会長は「フィルムやメディカルなどを通じて富士フィルムのブランドは浸透している。世界中に販売拠点もある」と意に介しません。

もう一つ期待できるのが、富士ゼロックスを完全子会社化した時点で、ゼロックス以外への供給が可能になったOEM(相手先ブランドでの生産)事業です。

「富士ゼロックスの製品のクオリティーは業界トップクラス。欲しがっているところはたくさんある」

もっとも、ペーパーレス化で事務機市場の大きな成長は見込みにくくなっています。

古森会長の思惑通りに自社ブランド展開とOEM事業が広がるかは分かりません。

それでも富士ゼロックスの収益基盤が揺らぐことは当面なさそうです。

ゼロックスと5年間の製品供給契約を2019年11月に結んでいます。

ソフトウエア開発の手間などを考えれば、ゼロックスが他社の調達に一気に切り替えるのは難しく、ゼロックスの首根っこを押さえているわけです。

ゼロックスを買収できなかったからこそ成り立った今回のスキームですが、買収計画のとん挫を一番喜んでいるのは案外、古森会長かもしれません。



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 





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