To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

武士の一分 ★★★★

2007-01-15 22:04:36 | 映画(劇場)


山田洋次監督による藤沢周平時代劇映画化、三部作の最後を飾る
「武士の一分」 を遅まきながら観て来ました。

木村拓哉(三村新之丞) 檀れい(三村加世) 笹野高史(徳平)
緒形拳(木部孫八郎) 桃井かおり(波多野以寧) 坂東三津五郎(島田藤弥)

想像していたよりも、ずっと良かった。
やっぱり“原作ありき”というところでしょうか。
藤沢作品の雰囲気を損なわない、素晴らしい映像でした。

たくさん読んでいるわけではないので、エラそうなことは言えませんけどね。
この話も、映画を見終わってから本屋さんに行って、『盲目剣谺返し』だけ立ち読みしました。

失明した新之丞が、島田に相談したあとの加世の変化に気が付かないのはおかしいよなぁ・・・
と思っていました。
やはり原作では、叔母に言われるまでもなく分かっていましたね。

木村拓哉って、あんな顔だったかな?
テレビで見るよりも、数段オトナの男の顔をしていました。
現代劇より、ずっと良いじゃないですか。
時代劇の髪型・衣装・方言が、アイドルっぽさを中和してくれたような。
男らしさや純粋さ、頑固なまでの意志の強さ、優しさやユーモラスな一面など、
キムタクを主役に据えた理由が分かる気がします。

つつましくも和やかな日々の生活。
お役目に物足りなさを感じ、妻の加世に将来の夢を語る新之丞。
このあたりは、野心を抱く若者の姿が素直に出ていました。

目が見えなくなってからも、もっと演技の上手い人は居るでしょうが、濃すぎずやり過ぎずで、新之丞には適していたのかな。
脇役が控えめな演技だったので引き立てて貰ったよう、この役に出会えて良かったね。

加世役の檀れい、端正で美しいです。まさに、美男美女

1971年8月4日 京都府生まれ 35歳
平成4年  宝塚歌劇団入団
       「この恋は雲の涯まで」で初舞台
平成11年 「うたかたの恋」で娘役トップに
平成16年 中国公園で楊貴妃の再来と言われ注目を集める
平成17年 宝塚歌劇団 退団
平成18年 「武士の一分」で映画デビュー

最初に素晴らしい役と巡り会ってしまい、次はどんな作品を選ぶのか、余計な心配をしてしまいます。

だけどこの話は、徳平(笹野高史)なくしては成り立たちません。
三人で1チーム、良い味を出していました。
あちこちの映画賞を受賞できればと、応援しますよー

唯一の悪役(最後には武士としての一分を通します)、坂東三津五郎も際立つ存在でした。
自信たっぷりに加代に迫るイヤらしさ、、
だけじゃなくて、発声・表情、裃(かみしも)の着こなし、剣を構えた時の腰の据わり方・殺陣の見事さ!
やっぱり歌舞伎役者さんは身に付いているものが違いますね。

そして、見終わったあとには温かい気持ちになります。
日本情緒あふれる美しい映画、監督の原作への想いや人に対する優しい眼差しが伝わってきます。
観に行って良かった!
大量の宣伝や「主演:木村拓哉」であやく食わず嫌いになるところでしたよ。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご覧になりましたか! (ひろ009)
2007-01-16 22:03:37
こんばんは。

良かったでしょう?
原作ありきなのですが、私は原作よりも高く評価しています。
演技陣が素晴らしかったことにもよりますが。

檀れいはきりっとして美しかった。
笹野高史はぼやきながらも巧かった。
坂東三津五郎は凄かった・・・。

日本映画もいいですね。
返信する
はーい、良かったです。 (アイリス)
2007-01-16 23:50:35
ひろさん、こんばんは。

笑える所と緊張感漂う場面が程よく案配されていて、楽しく観られました。
原作はもちろんですが、キャスティングの良さと監督の腕なのですかね。

今まで日本映画はほとんど観ていなかったのですが、最近は割合が増えてきました。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-01-17 07:48:40
こんにちは。
本屋で、『盲目剣谺返し』だけ立ち読みした
アイリスさんがいちばんスゴイです。
私も笹野高史の演技が光っていたと思います。
返信する
うっ・・・ ( ̄ー ̄; (アイリス)
2007-01-17 11:39:38
お恥ずかしい限りです。
短かったので、あっという間でした。
山田洋次監督は、短編を上手く膨らませたなと思いました。
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