To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

ハート・ロッカー

2010-03-17 20:05:29 | 映画(劇場)
注目の映画 ハート・ロッカー を観てきました。

 

第82回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、音響編集賞、録音賞 6部門を受賞

元夫婦対決と話題になっていましたが、キャスリン・ビグローが女性監督として史上初の作品賞・監督賞を
受賞する快挙を成し遂げました。
「ハート・ロッカー」のプロデューサーがアカデミーの規定違反で、授賞式への出席禁止という騒ぎもあった
ようですが。
どちらにしても、インディアンの虐殺を連想させるような「アバター」よりも、イラクで危険に身を晒しながらも
爆発物処理に従事する兵士たちの物語が選ばれるのはもっともかもしれません。

実際、スゴい映画でした。
まるでドキュメンタリーを見ているような緊張感がありました。
今戦争を描くとなると、こうなるのですね。
人間と人間が対峙して戦うことは、まれになってしまったかな。

イラクに駐留する爆発物処理班の兵士たち。
来る日も来る日も死と隣り合わせ、極度の緊張を強いられる任務だ。

こんな人間の限界を超える仕事を続けていたら、自分が生きている実感を他に見出せなくなるのも無理ないか。
この強烈な刺激の中に身を置いていたら、ある種の中毒になる者も出てくるかもしれない。
正義感や使命感だけで任務を行っているようには見えない。
圧倒的な快感があるように思う。

任務が明けると、穏やかで静かな家族との生活が待っている。
妻と買い物に出掛けたスーパーで、シリアルだけでも棚一面にズラリと並ぶ光景。
長らく戦場に赴いていた者には異様に映る。

映画もほぼ2時間が経過、見ているこっちまで戦場にいる気分にさせられてしまい、
現実の平和な生活の方が、よほど非現実っぽく見えてしまい恐ろしくなる。

淡々と再び任務に赴くジェームズ二等軍曹の後ろ姿に、悲壮感は感じられない。

でも、誰のための、何のための戦争なのか。
この仕事に終りが来ることはあるのか。
何とも言えない痛みが胸の中に広がっていく。
忘れられないラストシーンになりそうだ。



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