To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

犯人に告ぐ/雫石脩介著 : 決めゼリフは鳥肌モノ!

2005-07-24 23:51:06 | 読書
評判通り、とにかく面白かった。

まずは、相模原男児誘拐事件。

誘拐犯人が身代金運搬人と連絡を取る方法が、今までに無く新しい。
身代金の受け渡し場所が二転三転する間に、捜査陣はバタバタしてその存在に気付かれてしまう。

そして犯人に接触し追走しながらも、人波の中取り逃がしてしまう。
翌日、少年の遺体が発見される最悪の結末! 
犯人<ワシ>からのメッセージが少年のズボンのポケットから出て来る。

その後の記者会見、大荒れ。
マスコミ、怖いね。
その振りかざす 『正義 』 何処から来て何処へ行くのか?
何様だと思っているのだろう?!って実際に感じる事もあるよね。

ここまで、例の喫茶店で読みました。
本の厚さの1/4位かな。
このままでは帰れないので、購入して来ました。

その6年後、川崎男児連続殺害事件。4件も。
最初の事件から1年近く経ち、神奈川県警の捜査は行き詰まり長期戦の様相。

犯人<バッドマン>から、TVニュース番組の女子アナ宛にメッセージが届く。

ここで6年前の事件に携わっていた、この小説の主人公たちが再登場

◆特別捜査官:巻島史彦、52歳 通称<ヤングマン> 神奈川県の田舎・足柄署に左遷されている。

◆本部長:曾根要介 52歳 東大法学部卒、王道のキャリア組ながら荒い現場にも精通している。

この事件から登場。脇役ながら重要な役割。

◆刑事総務課長:植草壮一郎 32歳、曾根の甥、東大出ではないもののキャリア組、スーツは全部アルマーニ。

さぁ、いよいよ本番開始!

劇場型犯罪  劇場型捜査

劇場は・・・・・・[ニュースナイトアイズ] 

主役は・・・・・・特別捜査官:巻島史彦

女優さんは・・・・・・

[ ニュースナイトアイズ ] の女子アナ早津名奈 彼女宛に犯人からメッセージが届く。

ライバル番組[ ニュースライブ ] 女子アナ杉村未央子 植草と大学の同級生、二人の関係が何ともね。

ここからの内容の面白さは、とても書き切れません。

色々な要素や思惑が絡み合って、捜査が進んで行きます。
もうダメかという状況からの急展開はお見事

種明かしや落とし所も憎い。
6年前の事件の決着の仕方もね。

主人公の巻島史彦には、大変惹き付けられます。
ビジュアル的にも、人間的にもね。

見た目の印象や態度は変わっても、信念は一貫している。
圧倒的な強さと独特の存在感がある。
繊細さや暖かさも隠し持っている。

それに反して、犯人の実像がこんなに希薄なミステリーも珍しいかも。

巻島史彦、最後のテレビ出演での[バッドマン]に告ぐ・・・

凄い!殺気。迫力。異様な雰囲気。静寂。
今までの全てが頭をよぎる。
この楽しみは読み込んで来た人だけの物だから、あしからず。

一番印象に残った言葉は、津田巡査部長のこれ。

「人を叩き過ぎちゃあ、いかんのです・・・・・・」
「叩けば誰でも痛いんですよ・・・・・・」
「痛そうじゃないから痛くないんだろうと思ったら大間違いだ・・・・・・それは単にその人が我慢してるだけですからな」

読むよりも、ブログ書く方がずっと疲れるね。(笑)