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博多駅前陥没事故~再掘削、難所突破

2019-10-08 21:32:52 | 博多駅前陥没

博多駅前陥没事故からまもなく3年、最大の難所である陥没部分の掘削工が完了した。福岡市交通局が今月3日に公開した資料によると、大断面トンネルの掘削工が完了し、これからトンネルの躯体構築を進めていくという。報道はされていないが、大成JVが威信をかけ進めていたナトム区間の再掘削は無事終わっていた。(一時、路面沈下量が増えたので心配していたが)

陥没した大断面トンネル部では、陥没時に中央から掘削していたところを、トンネル頂部から掘削する加背割(頂設導坑先進)に変更していた。また、補助工法として、※先受け工法(AGF工法)を採用し、陥没時より打設のピッチを小さくするなど安全策がとられた。問題の地下水対策は、人工岩盤を造り、浸透距離を約7.5m(陥没時の浸透距離は2m)にするなど浸水対策がとられていた。 (下図参照)

こうした対策で、難所は突破したようだが、工程表をみると、トンネル本体工事は2020年度までかかる。その後、2年かけて施設関連工事が行われ、試運転や検査を経て、問題がなければ2022年度開業することになる。これから下山といったところ。難所の山は下りのほうがリスクは高い。まだまだ気を緩めてはならないだろう。

 

※AGF工法(注入式長尺鋼管先受け工法)とは、掘削断面の上部に鋼管を入れ、薬液を注入することで地山を安定させて掘削するもの。

 

掘削が完了した大断面部トンネル(写真:福岡市資料より) 

 

 

こちらは陥没直前の大断面部トンネル 

 

 

 

掘削工事の様子(写真:福岡市資料より)

 

 

 

 

 支保工仮設材が設置されている(写真:福岡市資料より) 

 

 

 

陥没した部分の再掘削方法(福岡市資料より)

 

 

 

全工程表 なお、陥没事故により50億円もの税金が追加投入されている 詳しくはこちら

 

 

《関連資料》

福岡市交通局。七隈線延伸事業 工事進捗状況

大断面トンネル部の再掘削計画について

地下鉄七隈線延伸事業(天神南〜博多) における開業時期・事業費の⾒直しについて

 

 

 



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