【図:有効求人倍率、完全失業率などの推移 】
厚生労働省が6月30日発表した求職者1人に対する求人数を示す5月の有効求人倍率(季節調整値)は0・44倍で、前月を0・02ポイント下回り、1963年の調査開始以来最低となった。悪化は12カ月連続で、4月はすでに過去最低に並んでいた。
■企業に雇用過剰感
総務省が同日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0・2ポイント悪化の5・2%。4カ月連続の悪化で、2003年4月などに記録した過去最悪の5・5%に一段と近づいた。
国の景気刺激策などで生産に回復の動きが広がり、政府は景気の底打ちを強調しているが、生産水準は低く、企業の雇用過剰感は依然強い。厚労省は、雇用情勢の基調判断を「さらに厳しさを増している」と5カ月ぶりに下方修正した。
雇用情勢改善の遅れが、景気回復の重しとなりそうだ。舛添要一厚労相は閣議後の記者会見で「求人が少ないので再就職に至る割合が低く、失業者が増加を続けている。厳しい雇用情勢の改善に全力で取り組む」と説明した。
5月の新規求人数は、前年同月より34・5%減。製造業で55・9%減るなど幅広い業種で減少した。正社員の有効求人倍率は前年同月より0・29ポイント低い0・24倍で、過去最悪を更新した。
男女別の失業率は、男性が前月比0・1ポイント悪化の5・4%、女性が0・3ポイント悪化の4・9%。完全失業者数は、前年同月比で77万人増の347万人と大幅に増加した。
都道府県別の有効求人倍率は、最も高いのが香川県の0・71倍で、最も低いのは青森県の0・26倍。
■京都7カ月連続減
京都府の5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月を0・03ポイント下回る0・52倍で、7カ月連続で減少した。
有効求職者数が前月比1・4%減と6カ月ぶりに減少した一方、有効求人数が同10・1%減と2カ月連続で前月を下回るとともに、落ち込み幅が膨らみ、有効求人倍率を押し下げた。
滋賀県は前月を0・02ポイント下回る0・35倍で、過去最低を更新した。
有効求人数が前月比2・9%減と17カ月連続で減少する一方、有効求職者数は同3・1%増で8カ月連続で増加と、厳しい雇用環境が継続している。
【関連ニュース番号:0905/256、5月30日など】
(6月30日付け京都新聞・電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009063000102&genre=B1&area=K00