滋賀と京都、大阪3府県の市民団体が、琵琶湖・淀川水系を1周する貸し切り列車を10月に走らせ、環境分野で企業やNPO(非営利団体)との交流を深める。凍結が決まった大戸川ダム(大津市)を例に「上下流連携を環境分野でも進めたい」として、水系一体で活動の方向性を共有するきっかけづくりを模索している。
走らせる列車は「琵琶湖・淀川環境号」。環境関連団体の連携を進める大阪市のNPO「エコネット近畿」が呼び掛け、京滋を含む13団体が実行委員会を結成した。
10月24日に、JR大阪駅を出発。京都駅を経由し、琵琶湖を反時計回りに東海道線、北陸線、湖西線を回って1周し大阪駅に戻る。淀川から、桂川と木津川、宇治川の3川合流部を通り、琵琶湖岸にほぼ沿う路線で、同水系をほぼ網羅する。
■車両ごとにNPO活動紹介
同水系の現状を、4両編成の車両ごとに異なるテーマで報告するほか、参加のNPOや企業も活動紹介する。野鳥など生物の生育環境や、ダム問題を含めた治水など川との関わり、自然エネルギーや公共交通への転換など気候変動に関する内容を想定している。
実行委員長を務めるエコネット近畿副理事長の仲津英治さん(64)=大津市=は、大戸川ダム問題で治水の上下流対立を超えて3府県知事が団結したことを評価し、「環境団体も、団体ごとに考え方や路線は違うが、政策提言など大きな方向性でまとまり、力を発揮したい」と話す。
活動紹介を行うNPOや企業を6月末まで募る。一般参加は開催前にあらためて募集する。同ネットTEL06(6881)1133。
(6月12日付け京都新聞・電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009061200035&genre=A1&area=S00