【0906/27、28:「自治会寄付金問題」の続き:県下の各社会福祉協議会会長の回答要旨】
【自治会寄付金問題に関する滋賀県社会福祉協議会会長および各市町社会福祉協議会会長への要望書に対する回答の要旨】
■要望書要旨(2008年9月24日付け)
自治会組織を通じて各種募金・寄付金を一律に事実上強制的に集めることは、思想・信条の自由を侵害するものであるため、憲法違反であり公序良俗に反するものであるとする判決が2008年4月に最高裁で確定したにもかかわらず、判決の主旨が無視されるか曲解され、違法となる可能性が大であるにもかかわらず依然として自治会組織を通じて実施的に強制的な募金・寄付集めが行われる懸念が大きいため以下のとおり要望する。
1)滋賀県社会福祉協議会が、社協会費と赤い羽根募金を集めるに際して、個々の住民の任意性を損なう可能性が大きく、そのため違憲・違法となる懸念が存在している、自治会組織を通じての集金という方法を中止し、自治会組織を通じず、社協自らの手で集金する方法と採ること。
■県および市町の社会福祉協議会会長の回答要旨(08年10月末~09年2月)
【嶋川尚・滋賀県社会福祉協議会会長】
1.社協は社会福祉法において地域福祉を推進することを目的とした団体と位置づけられている。
2.地域福祉活動は地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にあると考える。
3.このため、市町社協の会費に関しては自治会に徴収の協力を要請しており、社協の活動への理解に基づき納入してもらっていると考えている。
4.県社協は、市町社協など福祉団体を会員とした組織である県民(住民)1人ひとりに加入、会費納入の要請は行っていない。この意味で県社協自体は要望書にある「会費を自治会組織を通じて徴収するという方法」も行っていない。
5.赤い羽根協働募金に関しては、県社協として協力はしているが募金活動そのものは行っていない。
【大津市社会福祉協議会会長】 回答せず
【彦根市社会福祉協議会会長】 回答せず
【近江八幡市社会福祉協議会会長】 回答せず
【草津市社会福祉協議会会長】 回答せず
【守山市社会福祉協議会会長】 回答せず
【原田昇・栗東市社会福祉協議会会長】
1.社協会費に関しては、知育福祉推進のための貴重な財源として住民の協力を要請している。
2.市内の121自治会に理解してもらい会費徴収に協力してもらっている。この方法は、社協が自治会住民に対し「いつまでも住みやすい福祉のまちづくり」のための支援を積極的に進めるという決意表明を行い、それに自治会全体で賛同してもらうためのものと認識している。
3.会費徴収にあたり、自治会長をはじめ住民の意見を十分に聴いたうえで、依頼文書を検討し理解を求め、協力を得ている。
4.今後も、社協会費、共同募金の方法に関しては、住民の意見を十分聴きながら、理解を求めていく。
【藤沢喜成・野洲市社会福祉協議会会長】
1.最高裁で確定した判決は、自治会として募金などに協力することや、募金を含めて自治会費を集めることを違法としたものではなく、自治会で意思決定を行うにあたり、会員の意思とは無関係に、事実上強制をもってなされたことが問題とされたものである。
2.社協は社会福祉法において地域福祉を推進することを目的とした団体と位置づけられている。
3.地域福祉活動は地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にあると考える。
4.このため、市町社協の会費に関しては自治会に徴収の協力を要請しており、社協の活動への理解に基づき納入してもらっている。
4.赤い羽根協働募金は、社協の活動と密接な関係があり、社協が県共同募金会の支会として協力している。
5.赤い羽根共同募金に関しても、地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にあることから、自治会に協力を要請している。
6.言うまでもなう寄付は任意なものであり、住民に共同募金の主旨・意義を理解してもらい協力が得られるよう一層努めていきたい。
【湖南市社会福祉協議会会長】 回答せず
【横井貞夫・高島市社会福祉協議会会長】
1.社協は、社会福祉法において地域福祉を推進することを目的とした団体と位置づけられていることから、住民主体の福祉活動を支援している。
2.市社協では、平成17年の合併後、直ちに自治会長に自治会ごとの「福祉推進委員会」の設置を要請し、主にその活動財源とするために会費および共同募金の募集を要請している。
3.例年、5月から6月にかけて区長・自治会長会を行政主催で行い、社協回避と共同募金の使途・主旨を説明し、理解を得たうえで協力を要請している。
4.本年(平成20年)にあっては、最高裁判決を重く受け止め、行政とは別に、社協主催で区長・自治会長会を実施し、これまでの共同募金の募集方法であった「募集袋」による募集方法を社協会費にも適用することを提案し、できるかぎり住民の意思が尊重されるように配慮するよう要請した。
5.高島市社協は、市民全員が社協会員であり、地域の福祉課題を自らの手で解決していくことを理想としている。この理想実現のため、会員制度や地域福祉推進の財源となる会費・共同募金のあり方はその根源に係わるものであると考え、区長・自治会長会、住民の意見をこれまでにも増して十分聴いていきたい。
【奥善夫・東近江市社会福祉協議会会長】
1.社協は社会福祉法において地域福祉を推進することを目的とした団体と位置づけられている。
2.地域福祉活動は地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にあると考える。
3.このため、市町社協の会費に関しては自治会に徴収の協力を要請しており、社協の活動への理解に基づき納入してもらっている。
4.赤い羽根協働募金は、社協の活動と密接な関係があり、社協が県共同募金会の支会として協力している。
5.赤い羽根共同募金に関しても、地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にあることから、自治会に協力を要請している。
6.市社協としても、判決について種々検討を行った。それらを尊重して、各個人の意思に反して会費や共同募金を強制する結果にならないように配慮して活動を行うよう努める。
【河崎顕誠・長浜市社会福祉協議会会長】
【田中博夫・米原市社会福祉協議会会長】
【光村和男・安土町社会福祉協議会会長】
【藤沢政男・日野町社会福祉協議会会長】
【山仲忠郎・竜王町社会福祉協議会会長】
【谷口端明・豊郷町社会福祉協議会会長】
【山崎義勝・甲良町社会福祉協議会会長】
【渡辺豊子・多賀町社会福祉協議会会長】
【小柳文之進・湖北町社会福祉協議会会長、高村一良・高月町社会福祉業議会会長、文室温晴・木ノ本町社会福祉協議会会長、亀井衛・余呉長社会福祉協議会会長、松井誠一郎・西浅井町社会福祉協議会会長、一谷清男・虎姫町社会福祉協議会会長】
(湖北6町社会福祉協議会からは共同回答)
上記の地区の社会福祉協議会会長からは個別に回答が寄せられましたが、内容はまったく同一のものでした。回答内容は以下の通りです。
1.社協は社会福祉法において地域福祉を推進することを目的とした団体と位置づけられている。
2.地域福祉活動は地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にあると考える。
3.このため、市町社協の会費に関しては自治会に徴収の協力を要請しており、社協の活動への理解に基づき納入してもらっていると考えている。
4.赤い羽根協働募金は、社協の活動と密接な関係があり、社協が県共同募金会の支会として協力している。
5.赤い羽根共同募金に関しても、地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にあることから、自治会に協力を要請している。
6.言うまでもなう寄付は任意なものであり、住民に共同募金の主旨・意義を理解してもらい協力が得られるよう一層努めていきたい。
【広田進・愛荘町社会福祉協議会会長】
1.社協は社会福祉法において地域福祉を推進することを目的とした団体と位置づけられている。
2.社協では、全町民に社協の組織に参加してもらい、知育福祉を進めることを目的に、住民会員制度を設け、社協活動に参画してもらうよう進めている。
3.地域福祉活動は地域福祉を進める自治会活動と密接な関係にある。
4.以上の理由から、自治会を通じての社協会費の納入については、地域福祉を社協とともに進めることを確認してもらえる機会であると考え、理解と協力を求めており、その結果として自治会ならびに個々の住民の理解に基づけ納入してもらっていると考えている。
5.赤い羽根共同募金に関しては、社協の活動と密接な関係にあることから、社協が共同募金会の支会として協力している。
6.言うまでもなう寄付は任意なものであり、住民に共同募金の主旨・意義を説明し理解・協力が得られるよう一層努めていきたい。
(以上、直接取材)