【写真:滋賀県の「ふるさとの川づくり協働事業」で、高時川で伐採した竹を搬出する参加者ら(2008年秋、高月町)=高月町提供 】
河川の維持管理に住民参加を促す滋賀県の「ふるさとの川づくり協働事業」が、開始2年で本格化している。自治会などが川の草刈りを行い、県は作業のため堤防に階段などを設置して支援する仕組みで、本年度は県や自治会をつなぐ「河川管理パートナー」を創設、さらに地域の実情を反映した協働を目指すとしている。
同事業は昨年度から本格実施された。従来の河川保護活動を発展させ、財政難で県の手が回らない維持管理を住民に分担してもらう。県は、階段設置など住民の作業環境の確保と、作業にかかる経費補助を行う。
各土木事務所が地元と協議して個別事業を決めている。昨年度は、木之本土木事務所が高時川など4カ所で、堤防から川へ下りるルート確保のための階段設置や竹林の伐採を実施。高月町など4町の約70カ所で自治会が行った草刈りに、草の運搬処理費用などを補助した。
湖東土木事務所は、地元のボランティア団体と連携して竹を間伐し、堆肥用のチップに加工している。タケノコの試食会など年3回のイベントも含め、治水に必要な竹林管理と同時に住民の川への関心を高める狙いだ。担当者は「川に親しんでもらい、竹林に人の手が入っていくよう誘導したい」と話す。
県は本年度、従来の河川協力員に代わり、公募7人を含む計50人の河川管理パートナーを設置した。
河川の見回りだけでなく、伐採した竹の処理や活用事例など県や市町の取り組みを地元に知らせるとともに、除草の必要な個所など地元要望を行政に上げる役割を見込んでいる。
(6月24日付け京都新聞・電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009062400020&genre=A2&area=S00