関西空港の連絡橋道路の国有化事業で、大阪府の橋下徹知事は府が新年度に負担予定の7億円を当初予算案に計上しない方針を固めた。巨額の負債を抱えた関空会社の財務改善策を国が示さない限り支出しない考え。一方、国が予算計上しなかった滋賀県の大戸川ダム計画の付け替え道路整備には負担金6700万円を計上する。府の予算をカードに地方の意思を国に示す構えだ。
連絡橋道路の国有化は関空支援策の一つで、通行料金の値下げが目的。国などは今年度、関空会社から約780億円で道路を買い取る計画で、府はそのうち65億円を今年度から5年分割で負担する。09年度は7億円を予算計上する予定だった。
しかし、橋下知事は約1兆1千億円の有利子負債を抱える関空会社の財務構造の改善を国に要求。昨年、国土交通省で面談した航空局長から「今年度内に抜本策を示す」と言われたとして、国の改善策が示されるまで予算計上を見送る方針を固めた。
関空2期島の護岸工事(約35億円)については、工事を望む周辺自治体に配慮して府の負担金約5億7千万円を予算計上するが、同様の理由で執行は留保する考えだ。
一方、国の大戸川ダム計画をめぐっては、昨年11月に滋賀県や京都府など4府県知事が共同で反対意見を表明。これに対して国土交通省は、関連事業として整備していた滋賀県道の付け替え工事について新年度の予算計上を見送った。この道路整備について、橋下知事は先月末の部局との公開論議で「国土交通相は放っておかないと約束した」と強調。府の予算枠を確保し、国に再考を迫る考えだ。
こうした国直轄事業負担金のあり方について、橋下知事は「霞が関の役人の意思に従う必要はない。どちらが正しいか国民、府民に判断してもらう」との考えを示しており、国の対応を見ながら予算執行の判断をしていく構えだ。(尾崎文康、吉浜織恵)
【関連ニュース番号:0902/53、2月6日;0901/198、1月28日など】
(2月6日付け朝日新聞・電子版)
http://www.asahi.com/politics/update/0206/OSK200902050143.html
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