「いくさんのお部屋」つぶやきNo.3

日頃の何気ない日常をつぶやいています。

タローのガイド犬物語

2006-02-20 10:26:49 | 登山
土曜日、娘のMと皆子山に向かった。
京都市内から雪がちらちらしていた。大原を過ぎたら、雪景色になっていた。市内からほんの少し行っただけで、こんな景色が見られるなんて京都はいいところだなぁ~、とあらためて思った。平のバス停に車を停めて、用意をして出発した。林道にはトレースがまったく無く、雪が積もるまでに人が歩いた形跡すらない。雪は結構多く、膝の上ぐらいまでズッポリと嵌ってしまい足が抜けないことがしばしばだ。
林道に入りかけたら犬が近寄って来て、嬉しそうにしっぽを振っている。先頭に立って、まるで案内でもするような素振りに見えるのは気のせいか。一緒に歩き出し、帰るまでず~っと一緒だった。
後ろを犬が付いてくるので「ラッセル泥棒」といったら、それからずっと先頭をラッセルしてくれたとMが笑って話す。しかし、犬のラッセルはちっとも役に立たない。何だか、私が一番深く沈んでいるように思うのは気のせいだろうか? 軽いのが有利なのは、何もクライミングだけでもなさそうだ。
いつの間にかガイド犬はタローと名前がついてしまった。先に行ったり、横道にそれたりしながらも、またくっついて歩いている。離れると待っている。
寺谷の登り口では、そこをタローは通り越し、もう見えなくなっていた。
何年か前に来たときには橋が壊れていてなかったのだが、橋は架けられていた。しかし、その橋には雪がこんもりと積もっている。行こうか行くまいか迷っていた。登り口でコースタイム30分のところ1時間半も掛かっている。天気も悪い。相談の結果、朽木の温泉に行くことで話がまとまり引き返すことにした。
タローはどうしたのだろうかと、話していたら慌てて戻って来た。それからは帰りも一緒に帰る。途中で昼食を取ろうとしたら、タローもそばに来てそれを察知したように喜んでじゃれている。「お行儀よくしていないと、あげないよ。おすわり!」なんていうとちゃんと座っている。昨夜作ったおでんを温めていたら、タローの口からヨダレがタラ~。「もう汚いなぁ~!」「お座りして、ちゃんと待ってなさい!」というとわりとちゃんとしている。並の子供よりは躾けられている感じ。とうとう、私たちのおでんとおにぎりはすっかりなくなり、二人と1匹分の胃袋を満たし、タローも満足したようだ。
そして、先に帰ったタローはどこにいったんだろうと思いきや、次なる顧客になりそうに思ったのか、人が乗っている車のドアのところに座って運転手の方をじっと見ている。残念ながら、その車の人は登山者ではないのはタローにはわかっていないようだ。「タロー、バイバイ! ありがとう!」と声を掛けたら、ちらりと私たちの方に目を向けたが、もう営業活動を開始していた。タローの勤勉さには、マイッタ! マイッタ!
私たちは、朽木温泉てんくうへ向かった。


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2 コメント

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Unknown (伊与田)
2006-03-10 23:59:40
始めまして。
2月25日に皆子に登りました。林道に足跡が残っていましたが、貴方方のですね。このお犬さんは帰りに会いました。いつも登山者に付き合ってくれます。
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Unknown (iku)
2006-03-13 08:17:07
伊与田さん、ありがとうございます。
この日は、あいにく雪がちらつきどんよりとした天気
に意欲がなくなり、林道を歩いてきて温泉に入って帰
り軟弱山行となりました。
勝手にタローと娘が名付けましたが、飼い犬なんで
しょうか? やっぱり、ガイドと心得ているんでしょ
うか? 不思議な犬ですね。
伊与田さんの行かれた日は、お天気はよかったので
しょうか? 北山は、ほんとうに雪が深いですね。

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