「いくさんのお部屋」つぶやきNo.3

日頃の何気ない日常をつぶやいています。

母と携帯電話

2006-11-14 20:18:44 | 雑感
私の母は83歳。一人暮らしで頑張っている。私の家から実家まで車で15分位なので時々は見に行ったり、色々用事を頼まれたりしているが、最近電話に出なくて困る。もしかしたら倒れているのではと、慌てて飛んで行くこともしばしばだ。しかし、駆けつけても、今まで何でもないことが多い。
「何で、電話に出ないんや! 心配するやんか」と私がいっても、「電話なんか、鳴ってへんで!」という。母の目の前で、私の携帯で電話をすると、けたたましい音楽とともに電話の音がする。「ほら、鳴ってるやんか」と私。しばらく沈黙。「ほんに、鳴ってるは…」と母。「こんな大きな音が何で聞こえへんねん」(電話機も年寄りのための機種で、けたたましい音楽が聞こえる)。このごろ、こんな会話ばかり。
田舎の家で広いので、台所や寝室に入ると耳の遠くなった母には、茶の間の電話の音が全く聞こえなくなっていたようだ。
それと、病院や買い物に送って行って、「用事が終わったら、電話してね」といって置いて来たりするのだが、最近町から公衆電話が消え、電話をするところもなくなってしまい。人に頼んで、電話を私に掛けて来たりする。私は、知らないおっちゃんからの、電話に無愛想な応対となる。「娘さんですか。お母さんに頼まれまして…」という電話口の声で、いっぺんに事情が飲み込め、平身低頭する。
そんな事情で、母に「かんたん! かんたん!」とテレビコマーシャルで連呼している機種を購入した。昨日、母の元に届けて使い方を説明し、何種類かの短縮ダイヤルも覚えてもらい。何度も電話の出方と掛け方を練習して帰って来た。
夜になって、家事を終わらせ落ちついてから試しに電話してみた。「この電話は、電波がとど来ないか、電源が…」のアナウンスが何度掛けても流れる。しょうがないから、家の電話に掛けると、どうも慌てふためいている様子。「電気がついたり、消えたりするねん。どないしょ」とパニック状態だった。いろいろ、説明してその場は収まった。
今日も、試しに携帯に電話してみた。やっぱり出ない。家の電話で「どないしたん」と言うと寝室に置きっぱなしだという。知り合いに電話番号をもう教えたらしく、「◯◯さんにも、携帯掛らないと言われたわ」という。がっかりする私に「おいおい、分かるようになるわ」と母の返事。
「かんたん! かんたん!」はいったいどういう基準で言うのだろか、と疲れた私はふと思ってしまった。先が思いやられる。


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