「いくさんのお部屋」つぶやきNo.3

日頃の何気ない日常をつぶやいています。

「sensibilia センシビリア」

2006-02-12 23:36:30 | 芸術(絵画 音楽他)
滋賀県近代美術館の「sensibilia センシビリア」という展覧会の招待状を戴き見に行って来た。そういえば、最近は絵の展覧会もあまり行かなくなってしまっていた。長いあいだには芸術に興味を持って美術館にしょっちゅう出入りをしていたこともあった。昔若かった頃に京都に「京都書院」という芸術(美術)関係の本ばかり置いていた本屋さんがあってそこにもよく行っていた。その本屋さんはもうつぶれてない。
ネットで検索してみたら京都書院のサイトがあるではないか。(http://yfujimatu.hp.infoseek.co.jp/)あれ~、倒産したのでは? と思いながらよく見ると「京都書院は、1999年5月31日にて営業活動を停止いたしました。整理中ですが、多数のお客様のお問い合わせや、いろいろな方のご協力のおかげで在庫出版物の販売を開始することになりました。一般の書店には並びませんが、K-SHOINが京都書院債権委員会から委託され提供させていただきます。」と書いてある。納得した。
久しぶりの美術館は、刺激的だった。それは現代美術ということでだけではなかった。
この展覧会はパンフレットの副題(~所蔵品によるある試み~)とある通り、この美術館の現代美術のコレクションの展示だが、関西の芸術家のグループのsoftpad(ソフトパッド)が関わり、音響や映像、照明を工夫し、ちょっと変わった演出の展示となっている。
展示場を入ったところから中は真っ黒、照明の僅かな光で少しだけ見える。最初は意味が分からなかったが、その暗闇に点在している数点が、今回の主役の作品であると理解したのはだいぶたってからだった。所々に置かれている椅子はどうも鑑賞用の椅子で、ゆっくり腰掛けていていいらしい。こんな体験も初めてのこと。じっと座っていると、照明がいろいろ変わって、作品がいろんな表情で映し出される。そして、となりに移動するとimacが置かれていて、出展作品の作家の作品の開設がスライドされている。
出口の部屋では壁一面のスクリーンで、作品がスライドで動かされている。そして何とも不思議な音が響いている。前には椅子が離されて5脚程並んでいた。誰もいなかったので真ん中の椅子に座って鑑賞する。これが先ほどの部屋で展示されている作品だということがやっと理解出来た。それは造形のエッセンスを切り取られたようなスライドだった。一連のスライドと音の組み合わせは不思議な世界に導いて行く。もう元の作品のイメージからは逸脱されてしまってる別物だ。
スライドを一通り見てから、もう一度もとの展示作品を見に戻る。初めて壁の暗闇消えていた個々の作品にもスポットが当たったように、私の中によみがえってきて感動した。素晴らしい演出効果だと思った。こういうふうに、鑑賞するんだよということを暗黙のうちに教わったような気がした。

ソフトパッド+滋賀県立近代美術館
sensibilia センシビリア
~所蔵品によるある試み~
sensibilia ~An Experiment on the Collection~
2006年2月11日(土)~4月2日(日)