goo blog サービス終了のお知らせ 

一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

伊藤匠五段の将来

2022-04-15 00:35:22 | 男性棋士
今年の将棋大賞・勝率第一位賞は、.0818の伊藤匠五段に決まった。伊藤五段は棋士2年目の新鋭で、初参加の第80期順位戦では9勝1敗の成績を収め、C級1組に昇級した。
さて将棋大賞・勝率第一位賞は、すべての棋士に勝ちまくらないと達成できないから、記録部門で最も価値のある賞ともいえる。
そこできょうは、過去48回の受賞者を掲げ、伊藤五段の将来性を占ってみたい。
では、過去の受賞者を記す(肩書は現在)。

中原誠十六世名人
桐山清澄九段
青野照市九段
森雞二九段
森安秀光九段
田中寅彦九段 4回
福崎文吾九段
南芳一九段
有吉道夫九段
富岡英作八段
羽生善治九段 7回
中田宏樹八段
森下卓九段
森内俊之九段
井上慶太九段
久保利明九段
鈴木大介九段
郷田真隆九段
行方尚史九段
木村一基九段 2回
山崎隆之八段
深浦康市九段
近藤正和七段
佐藤紳哉七段
阿久津主税八段
村山慈明七段 2回
宮田敦史七段
豊島将之九段
佐藤天彦九段
中村太地七段
永瀬拓矢王座
菅井竜也八段
斎藤慎太郎八段 2回
青嶋未来六段
藤井聡太竜王 4回

昨年の藤井竜王まで、35名が受賞している。栄えある第1回の受賞は中原名人(当時)だが、トップクラスと戦うことが多い現役名人が受賞することが実は難しい、ということが後に分かった。その後の現役名人の受賞は、第23回の羽生名人まで待つことになる。
最多受賞は羽生九段の7回。その次が藤井竜王と田中寅九段の4回となり、谷川浩司九段や佐藤康光九段、丸山忠久九段ら名人経験者は受賞していない。
のちの九段も含め、九段の受賞は23名。現在八段で将来九段を約束されている棋士も何名かおり、「九段率」はもう少し高くなる。
タイトル経験者は20名。タイトル戦経験者は27名。A級経験者は26名。
また勝率8割以上での受賞は伊藤五段で7人目となるが、過去の6名中5名がタイトルを獲得している。
つまり伊藤五段は、相当な確率でタイトル戦に出場し、A級に昇級すると考えられる。ただタイトルの獲得となると、藤井竜王との対決が予想され、相当ハードルが高くなる。
さて、どうなるか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近見た夢(2022-03-22、26、04-03、10、13)

2022-04-14 20:45:41 | 
最近見た夢を記しておく。
ます3月22日に見た夢。
私は路肩に座り、ビニールシートを敷いて、その上に旅行雑誌等を置き、読んでいた。
すると通行人が断りなく、それらの雑誌を見たりした。
どうも、これら雑誌を1冊100円で売っていると勘違いしていたようだった。
場面変わって、私はどこかを旅行していた。私は隣の島へ渡りたかった。その島は小さく、いま私がいるところとは至近距離にあり、大橋が渡されていたようだった。
また場面が変わって、あるホテルから、Mがエレベーターで降りてきた。彼はある女性を警護していたのだが、おばけが怖いので、代わりにその女性を連れてきてほしい、と言った。
私達は苦笑し、彼女のもとに向かった……という前後で、スマホのアラームに叩き起こされた。
あと5分遅く設定しておけば、もう少し夢の続きを見られたのに、残念。

26日に見た夢は、やたら登場人物が多く、内容も濃密だったのだが、1日経ったらほとんど忘れてしまった。
唯一憶えているシーンは、みなが水族館に行っていて、ただ魚は、陸上で泳いでいた。
エスカレーターをイルカだかクジラだかが昇ってきて、明石家さんまが驚いていた。

続いて4月3日に見た夢。
私はどこかの学校にいたんだと思う。仲間由紀恵が国語の教師をやっていて、私の級友が、テストの採点結果を先に教えてほしい、と仲間由紀恵に食い下がった。私はそんなに知りたくなかったが、何となく私もその仲間に入ってしまった。
ここでいったんトイレに行った。
寝直して見た夢は、私が何かの職人で、天井裏っぽいところの梁の修繕をしていた。
ところが見回りにきた関係者がやたらうるさく、最後は私もキレて、大喧嘩になった。

続いて10日に見た夢(だと思う)。
拙宅の庭の一角に、見たことのない植物がいくつか植えられていた。でもそこはふだん踏み固められていて、ふううは植わらない。だけど夢だからいいのだ。
それは何か野菜のようだった。オフクロが植えたようだった。
……というところで、目が覚めた。

続いて13日に見た夢。
私は中規模の病院の男性看護師だった。同僚に将棋ペンクラブのA氏がいた気がする。
そこで場面が変わって、私は東北新幹線に乗っていた。私の指定席?は最後尾(1号車)のいちばんうしろのシートだった。
だがこのシートがコ汚い洋式便器で、右に座ったA氏もその便器だった。前の乗客(女性3人)も様式便器だったが、こちらの汚れはそんなになかった。A氏は、「前の関が見渡せるからいいじゃないですか」と、妙な慰め方をした。
また場面が変わり、病院の中庭みたいなところで朝礼があった。私ともうひとりの人が、ある人に何かの協力をすることになった。それができるのは私たち2人しかおらず、私たちは感謝された。
しかし私はその朝礼に30分も遅刻していまった。でも私はきょう感謝されているので、構わない。
私は列の端っこにこっそりと加わった。
……というところで、スマホのアラームで起こされた。

ここで一度アップしておこう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山口絵美菜さん、退会

2022-04-13 01:41:34 | 女流棋士
このところビックリした話題といえば、山口絵美菜女流1級が、3月30日付で女流棋士を引退、女流棋士会を退会してしまったことだ。まったくの寝耳に水で、本当に驚いた。
山口さんは2014年10月、女流3級でデビュー。2016年4月に女流2級に昇級した。いま思えば、この昇級ペースがやや遅かった。
2016年8月に女流1級に昇級したが、そこからは規定の成績を取れず、女流1級のまま退会となったわけだ。
山口さんについて詳しいことは知らないが、京都大学卒ということは知っている。この学歴は人生を生きていくことにおいて大きなアドバンテージで、履歴書に「京都大学卒」とあれば、たいていの企業に就職できる(実際のところは知らんが)。
話を戻すと、山口さんは文学部だったがそれが評価されたのか、何年か前から毎日新聞でA級順位戦の観戦記者を務めた。女流の観戦記者は、我が湯川恵子さんがパイオニアだが、ほかは元女流棋士の藤田麻衣子さんが、竜王戦や棋聖戦で熱筆をふるっていた。最近は諏訪恵子さんが頑張っている。
いっぽう女流棋士では、渡辺弥生女流初段や藤井奈々女流初段の名が浮かぶ。女流の観戦記者は男性のそれと微妙に視点が違い、棋士の描写も繊細だ。山口さんも文章に粗削りな面はあったが将来が楽しみと、将棋ペンクラブ仲間での期待も高かった。
今回の退会にあたり、山口さんは「ほかにやりたいことができた」の談話を残している。山口さんはまだ27歳だが、アナウンサーの世界に活躍の場を見出して、女流棋士を廃業した竹俣紅さんとイメージがダブる。となれば山口さんも、観戦記者としてこの世界に残ることはしないだろう。そもそも「退会」とは、この世界との決別を意味する。
将棋界は貴重な書き手を喪ったわけだが、前述の通り、京大を卒業した才能を、将棋界のみで埋もれさせてしまっていいのか、という思いはある。
たとえば羽生善治九段が七冠を制覇したとき、私はその頭脳を、世界の進歩・発展のために活用できないか? と考えたものだ。
その後羽生九段は著名な学者と対談とかしたが、その程度で終わってしまったようである。
かつて立石径さん(2025年6月12日註:読者の指摘により、訂正いたしました)が、若くして奨励会三段まで昇りながら、医者を志して奨励会を辞めたことがあったが、稀有な才能を将棋以外に使うことがあってもいいわけである。
山口さんも、将棋界という小さな世界から、よりグローバルな世界に挑戦するに違いなく、私はその意向を支持したいのである。
私はヒトのSNSはほとんど見ないが、山口さんが近況を知らせてくれたらうれしい。
山口さん、いろいろお疲れ様でした。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHK杯で引っかかった局面

2022-04-12 02:04:13 | 将棋雑記
第72回NHK杯将棋トーナメントが開幕した。今年の話題は、司会のひとりが藤田綾女流二段から鈴木環那女流三段に代わったこと。藤田女流二段は子育てもあるから御役御免はしょうがないとして、なぜ鈴木女流三段なのか。私はせめて20代の女流棋士を考えていたから、意外だった。
……と書くとアレだが、私は鈴木女流三段のファンなので、この選出はむしろ歓迎である。これからのNHK杯が、また楽しみになった。
それとともに今年のNHK杯はマイナーチェンジがあり、オープニングでNHK杯保持者が一手パチッと指すシーンがなくなった。また司会者が冒頭に「将棋ファンの皆様こんにちは。日曜日のひととき……」と言う挨拶も省かれ、ブロックの対戦カードの読み上げも、当日の対戦カードのみの紹介となった。つまり、これら浮いた時間を感想戦に充てんとするものらしかった。
そして対局中は、AIの予想手(3通り)が常時示されるようになった。そこまでAIを活用されると解説者の立場がないと思うが、まあ視聴者のニーズもあり、それに従ったのだろう。
と長々と書いたが、本題はここからである。
第72回の開幕局は木村一基九段VS黒田堯之五段だった。将棋は先番木村九段の居飛車明示に、黒田五段は四間飛車に振った。
黒田五段は居飛車党だが、折田翔吾アマのプロ編入試験で飛車を振ったこともある。裏芸として指すことがあるようだ。
木村九段は▲9八香と上がり、穴熊志向。AIは穴熊を評価しないというが、トップ棋士が変わらず穴熊を目指すということは、人間相手では玉の固さアドバンテージがになる、と認識していることの証左でもある。
そこで黒田五段はいきなり△8五桂と跳ねた。木村九段は当然▲6八角(第1図)と逃げたが、問題はここである。

ここで黒田五段は△4三銀と上がり、解説もとくに留まることなく、先に進んだ。そして感想戦でも、ここはスルーされた。
しかし本譜は以下▲8六歩△9七桂成▲同玉となって、ほぼ無条件で桂得した木村九段が快勝した。
……いやいや、その進行はないだろう。これが黒田五段の予定だったのか? 違うだろう。
△4三銀で、△6五歩(課題図)はなかったのだろうか? 現在先手玉のコビンが開いて、いかにも突きたくなる。またそのための△8五桂ではなかったのか?

△6五歩に本譜と同じ▲8六歩は、△6六歩▲同銀△6五歩▲5五銀△5四歩(参考A図)でどうか。一瞬これで後手がよさそうだが、以下▲8五歩△5五歩に▲5四桂(参考B図)が痛打で、これはさすがに先手が指せそうだ。


ほかにはB▲7七桂もあり、一例は△同桂成▲同角△8五桂▲8六角で、先手は次の▲6四桂を楽しみにする。これも難しいながら、先手も指せそうだ。
これらを踏まえて、黒田五段は前述の▲5四桂を防ぐべく、△4三銀と備えたのだろう。
何かこれでも釈然としないが、自己解決できたことにして、もう寝る。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田中女流2級、初優勝

2022-04-11 00:26:31 | LPSAイベント
世間ではどのくらい注目されていたか知らないが、先月13日は、東京・府中市にて「第15回武蔵国府中けやきカップ・将棋女流棋士1dayトーナメント」が行われた。
今年の目玉は解説者で、いつもの中座真七段ではなく、羽生善治九段と谷合廣紀四段だった。
若手の谷合四段はともかく、羽生九段がゲストとは驚きで、そういえば以前もLPSAのイベントで森内俊之九段がゲスト出演したことがあったが、今回もよく羽生九段を呼ぶ予算があったものだと思う。
私も見に行きたいが、このコロナ禍で人数制限があり、気が付いたときは募集を締め切っていた。まあ、そうであろう。
そういえば今月16日に天童市で行われる「人間将棋」も、藤井聡太竜王見たさに17倍を超える観戦希望があったという。すまんが私は抽選に参加するほど、羽生九段や藤井竜王を見たいとは思わない。
話を戻して、女流棋士側の目玉は、けやきカップ初参戦の田中沙紀女流2級である。
田中女流2級は1月30日に行われた第77回1dayトーナメント「Minervaカップ」で決勝に進み、渡部愛女流三段に必勝の局面を作りながら、敗れた。田中女流2級に今度こそはの思いがあったことは想像に難くないが、それより自分の将棋を羽生九段に解説していただく栄誉のほうが大きかろう。私には田中女流2級がLPSAに入会したことの成否は分からないが、少なくとも女流棋士会にいたら、今回のような機会はなかった。
今回は中倉宏美女流二段、島井咲緒里女流二段、礒谷真帆女流初段、堀彩乃女流1級、田中女流2級と、5名によるトーナメント。まず島井女流二段が礒谷女流初段に勝ち、その島井女流二段を宏美女流二段が破り決勝進出。反対の山では田中女流2級が堀女流1級を破り、宏美女流二段-田中女流2級の決勝戦となった。
第1回から出場している宏美女流二段は何回目の決勝進出か分からないが、不思議と優勝がない。しかし今回は相手がはるかな後輩であり、さすがに優勝を意識しただろう。
決勝戦開始。なお今回はいつものネット中継のほかに、YouTubeでの中継もあったようだ。
田中女流2級の先手で▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀△8四歩▲7六歩。いままでは飛車先の歩を突かず角道も開けない変態的な将棋が多かったが、ここまでで大駒二枚を働かせ、言うことはない。これだけでも、田中女流2級が大野八一雄七段門下になった意味があった。
将棋は田中女流2級得意の底矢倉に、宏美女流二段の雁木。角を換わったあと、▲8二角(第1図)が、羽生九段が「視野が広いですね」と褒めた好手。以下△6二金▲4二歩△同飛▲9一角成と進み、先手が一本取った。

そこから数手進み、田中女流2級▲4四香(第2図)。

これには羽生九段が「△5二飛▲4六銀△4三歩という感じでしょうか」と解説する。
しかし宏美女流二段は△4四同飛。それは▲6二馬と金を取り、田中女流2級優勢である。以下も田中女流2級が手堅く指し、うれしい初優勝となった。
田中女流2級は女流3級からなかなか上がれなかった苦い過去があるが、最近の将棋を見るに、よく読みが入っていて、ひ弱な面がまったくない。
田中女流2級は女流順位戦D級でも、3勝1敗と健闘している。田中女流2級は今後も勉強あるのみである。そして勝つことしか、他者を見返す手段はないのだ。頑張ってください。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする