一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

愛がない

2022-04-21 02:10:46 | プライベート
最近のホットな話題といえば、吉野家であろう。常務取締役が早稲田大学のマーケティング講座で「生娘をシャブ漬けにする」と語って大騒ぎになった件である。
これ、このフレーズがひとり歩きしているが、冷静に考えると、このフレーズがなくても、講座として成り立っていない気がする。
たとえば、原文はいちいち確かめないが、「おカネを稼ぐようになった男性は女性を牛丼屋に連れていかない」がそうだ(註:「女性が男性に奢ってもらうときに吉野家を選ばない」という趣旨だったようだ)。
吉野家の役員だったら、お金持ちの男性が吉野家に女性を連れて行きたくなる努力をしろよと思うし、そもそも金持ちの男性だって、吉野家を好きな人はいっぱいいると思う。
とんねるずの木梨憲武あたりは、一生遊んで暮らせるほどおカネを持っていながら、牛丼が最高のごちそう、と感じているイメージがある。
「オモウマい店」のヒロミも、高級料理より町中華を愛しているフシがある。
この元常務取締役は、ヘンに自社商品を卑下していた。これも外様だからだろうか。
役員連中から三顧の礼で迎えられた彼は、入社時点で天狗だったのだろう。そこで、自社商品を貶める形で、ほかの役員との差別化を図ったのだろう。
だけどそれは、「吉野家愛」の欠如に繋がる。まず自社商品を愛さないことには、商品なんて売れませんよ。この元常務取締役はたぶん、吉野家の牛丼を食べたことがない。つまり、「吉野家愛」がなかった。
そこへ行くと将棋界は明快だ。棋士、女流棋士のすべてに将棋愛がある。稀にそれがなくなった人が、「退会」という形で将棋界を離れていく。
そして将棋愛はプロだけでなく、アマにももちろん存在する。プロは将棋が収入になるが、アマはむしろ「払う」立場なので、より将棋愛が純粋だ。
将棋ペンクラブの役員の面々も、私が詳しいギャラを知る由もないが、よく活動していると思う。ほぼ手弁当ではないか。だから私も応援したくなるのである。
話しを戻すが、「シャブ漬け」のフレーズがなくても、ウン十万円の受講料に匹敵する内容が聞けたとは思えない。彼を講師に招んだ早稲田大学の目も節穴だったと言わざるを得ない。
そして吉野家はすぐにこの常務取締役を解任し、「今後は一切関係ない」と切り捨てた。
ここだけ聞くと吉野家も被害者みたいだが、あんたら加害者だからね。
社長も減俸になったようだが、そのカネをウクライナに寄付するわけでなし、会社にプールされるわけだから、ほとんど意味がない。
吉野家がなぜシャブ漬け氏を招聘したのか知らないが、素人考えだと、吉野家の牛丼が好きで好きで入社しました、という社員で役員を固めたほうが、よっぽどいい商品が開発されると思う。
吉野家の株は大いに下がったし、今後は売り上げも激減するだろうが、シャブ漬け氏のような役員はほかにもいそうである。この際だから膿を全部出しちゃって、新生吉野家を目指してもらいたい。
コメント
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