一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

函館本線・長万部~小樽間、廃止決定

2022-04-20 01:08:05 | プライベート
鉄道ファンとして先月ビックリしたニュースは、2030年度末に開業予定の北海道新幹線(新函館北斗~札幌)に伴い、並行在来線である函館本線・長万部~小樽間140.2㎞の廃止が決まったことだった。前例のように、第3セクターで存続すると思っていたから、本当に驚いた。
函館本線の開業は、その名前からして相当古く、長万部~小樽間は、1904年に開業した。
しかしこの線区は山が多く、カーブも多いことから、あまりスピードは出せなかった。ここは俗に「山線」と呼ばれた。
反対に、函館本線より遅く開業した室蘭本線は、営業距離が長いながらも海岸沿いを走ることからスピードを出しやすく、重宝された。千歳空港を経由するのも大きかった。こちらは俗に「海線」と呼ばれ、函館~札幌間は、このルートが主要となった。
山線は特急北海、海線は特急北斗が走っていたが、北海は1986年、ついに廃止となった。代替の特急は設定されず、長万部から小樽までは、ただのローカル線に格落ちした。
あれはだいぶむかしの話だが、冬の北海道を旅行していたとき、小樽にいた私は雪の影響で札幌行きの列車に乗れず、函館からの夜行列車で帰京する予定だった私は、往生した。
ところが山線回りの臨時特急「スノーレインボーエクスプレス」が奇跡的に走っていて、すんでのところで函館まで戻ることができたのである。
ちなみにこの車内では、向かいに座った女性と仲良くなり、函館までしゃべりっ放しだった。
私は山線に感謝したものである。
秋に山線を旅したときは、1両の列車に旅行客が仲良く座って、実にのんびりしたひとときとなった。沿線には紅葉が輝き、さしずめ観光列車のようだった。
そんな山線に、定期特急列車が復活したことがある。1998年3月、有珠山が噴火し室蘭本線が不通となった。そこでJR北海道は迂回路として、函館本線山線に特急スーパー北斗を走らせたのである。山線に特急が帰ってきた! 鉄道ファンが歓喜したのは言うまでもない。
だがそんな山線も、北海道新幹線の開通で命運が尽きた。繰り返しになるが、いままでは、整備新幹線が開業した場合、並行在来線は第3セクターに移行するのが常だった。唯一の廃止は信越本線・横川~軽井沢間だが、たった一駅間である。つまり今回は、実質初めての鉄路廃止となる。
その理由は明快で、第3セクターにしても膨大な赤字になるからだ。国が補填してくれない限り、自治体の努力ではどうしようもない。
とはいえ、小樽~余市まで廃止にするのか。私は余市に何度か足を運んだことがあるので思い入れがあり、ひときわ悲しい。
しかもJR北海道によると、山線の廃止時期は未定だという。つまり北海道新幹線の開業と引き換えに廃止するのではなく、先行して廃止にする可能性もあるということだ。
鉄道ファンなら廃止前に乗りに行けばいいが、現在の私はそんな簡単に旅行できない。もう、カゴの鳥状態なのだ。
ああ、なんでこんな生活になってしまったんだろう。どこで道を間違えたのか。28年前に夏子さんと渋谷で会ったとき、交際を申し込んでおけばよかった……。
なんだか話が脱線したが、もう、北海道の鉄道は終わりである。いまどき札幌に新幹線を走らせたって、どのくらい需要があるのか。みんな、値段の安い空路で札幌まで行くのではないか?
現在北海道の鉄路は爆撃されたようにあっちこっちで廃止になり、網の目のように張り巡らされていたかつての鉄路の面影はまったくない。
もっともJR北海道は、海線回りの函館~札幌間と札幌~小樽間、それと札幌~旭川間だけ営業できればいいのだろう。
私が若いころ、わずかながら北海道のローカル線に乗れたことだけでも、佳としなければいけないのかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする