一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九段にならなかった

2022-04-05 23:23:54 | 将棋雑記
第80期名人戦は、あす6日から始まる。名人は渡辺明名人、挑戦者は前期に続いて斎藤慎太郎八段である。名人戦の連続挑戦は第70期~第72期の羽生善治三冠以来、8年振りだ(詳しくは2018年10月12日「連続挑戦(前編)」を参照のこと)。
ところで今回の名人戦には腑に落ちないことがある。すなわち、斎藤八段が九段に昇段しなかったことだ。
棋士が勝ち星によって昇段するルールができたのは1984年だったと思うが、そのころ、「名人挑戦はタイトル1期に数える」というルールも付加された記憶がある。
同年秋の第32期王座戦に、森安秀光八段が中原誠王座に挑戦した。森安八段はよく戦い、第4局を終え2勝2敗。そして最終第5局は必勝形になった。
森安八段は1983年に第42期棋聖戦で中原誠棋聖から棋聖を奪取。1984年には名人戦の挑戦者になったことから、当時の専門誌に、「この王座を獲ればタイトル3期相当となり、九段昇段も同時に手に入れる」のような記述があった記憶があるのだ。
実際はここから森安八段が逆転負けを喫し、九段はおあずけになったのだが、とにかく「名人挑戦=タイトル1期」は私の記憶に残った。
それから名人挑戦絡みの九段昇段はなかったが、今回の斎藤八段がそれに該当した。
すなわち斎藤八段は第66期の王座である。それと今回の名人連続挑戦でタイトル3期相当になり、九段昇段するはずだった。しかし前述の通り、斎藤八段は八段のままだった。
日本将棋連盟が昇段規定を緩くすることはあっても、厳しくすることは考えられない。とすると、たんにこのルールが廃止になったのか。
あるいは私が勝手に勘違いしていただけなのかもしれない。5年前、1980年代の将棋専門誌を1冊残らず処分してしまったことが、いまさらながら悔やまれる。それがあれば確認できたかもしれないのに
コメント (2)
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