一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

4月17日の大野教室(前編)

2021-04-27 00:09:54 | 新・大野教室
17日(土)は久しぶりに、昼から大野教室に行った。大野八一雄七段の指導対局付きで、1回5,000円である。ただし前述したように、土日教室と金曜教室、すべてに行ける1ヶ月パスポートだと月12,000円で済む。真性の将棋好きはこちらを選ぶのがいいだろう。
午後1時22分、教室の前に行くと、Taga氏が息抜きに出てきたところだった。だが、大野七段が来ていないという。
入室すると、W氏に加藤圭女流二段などいつものメンバーがいたが、確かに大野七段がいない。W氏が言うには、大野七段がご母堂と連絡が取れないので、大野七段が心配して、自宅に向かっているという。
W氏は加藤女流二段を臨時の指導対局者に据え急場をしのぐふうだったが、私は大野七段に教えを乞いに来たのだ。
とりあえず私は、Shin氏の将棋を観戦する。
「アレッ? 大沢さん、ちょっと太りました?」
とShin氏。
「そ、そりゃそうだよ、全然運動してないんだもん」
あらためてそう指摘されるとは、よほど私が太ったということだ。
さてShin氏の対局も終わったので、帰ることにした。今日は縁がなかった。
だが川口駅構内に入ったところで、私のスマホに電話が来た。大野七段からだった。
「いなくてどうもすみません。でも、母の無事が分かりましから、すぐそちらへ行きます。大沢さんも来てください」
W氏から私のことを聞いたのだろうか。
「はあ、じゃあ、またの機会に」
「いやいま戻ってきてくださいよ」
私が改札を抜けていたらこのままご帰宅だったが、すんでのところで引き返した。
1時48分、再び入り直すと、加藤女流二段が5面指しをやっていた。私は席料を払い、空いていたShin氏と指す。
「前回は連敗しちゃったから」
とShin氏。正確な勝敗は把握していないが、お互い直近の勝ち負けを気にしているのが面白い。
振駒で私の後手になり、▲7六歩△3四歩▲2六歩。ここで1分くらい少考し、△5四歩。ゴキゲン中飛車で行くことにした。だが▲2五歩△5二飛▲4八銀に、△3三角がどうだったか。▲3三同角成△同桂として先手に何か手がある気もしたが、Shin氏は▲6八玉。私は△5五歩として通常の進行に戻ったが、私もこんな雑な指し方をしているようではダメである。
そのあと、私が△6五歩として決戦を目論んだ手に対し、Shin氏が▲7七銀と引いたのが冷静な手だった。私は振り上げた拳の持っていき場がなくなってしまった。
さらに△3三角・△3二金・△4二銀、▲3六飛・▲3七桂の局面で、次の▲4五桂を防いで私が△3一銀(第1図)と引いたのが情けない手。これでは勝ち目がなく、若干戦意を喪失した。

第1図以下の指し手。▲9七角△6二金▲2四歩△同歩▲4五桂△4二角▲3二飛成△9七角成▲6二竜△4二馬▲6三金(投了図)
まで、Shin氏の勝ち。

Shin氏の▲9七角が好手。▲4五桂ハネで5三の地点も狙われるので私は△6二金と立ったが、いかにも危なっかしい。
Shin氏は2筋の歩を突き捨て、▲4五桂。ただこれは読み筋で、私は△4二角。▲同角成なら△同金で耐えるつもりだ。
ところがShin氏に▲3二飛成とされ、飛び上がった。
これを△同銀は▲4二角成だ。私はとっさに△9七角成としたが、Shin氏はそれを横目に▲6二竜。先の△6二金を綺麗に咎められた。
△4二馬にも▲6三金。そこで△6一角と打っても▲7一金で受けなし。私は無念の投了となった。

前回の三間飛車では快勝したが、完全に借りを返されてしまった。感想戦らしきものはやったが、ほとんど私のボヤキだった。
2局目はいつもの少年と指す。私の飛車落ちである。対局が開始されたが、いつもの定跡形になり、面白くない。そこで私が少し突っ張り、それが通って、互角以上の形勢になった。ハッキリ書くが、心身ともに健康な私だったら、この局面は必勝である。
だが最近の私は、そこから変調となる。

第1図は少年が▲5七同金と成桂を払ったところだが、よく見ると△6四馬が取られる。そこで△4二馬と引いたら、▲5四桂と、王手馬取りを掛けられてしまった。見落としに気付いて回避したら、またも見落としをやらかすとは……。今日はうっかりが多いが、これが本来の実力なのか、それとも精神的な問題なのか……。

進んで第2図は△7七金▲5八玉の局面。上手が寄せきれるかどうかというところだが、ここで△6六桂と打ったのがおかしかった。以下▲4八玉△5七桂成▲同玉△4七金▲6六玉となったが、これなら初手に△5七桂成としても同じで、本譜は桂をまるまる損してしまった。これが痛く、桂が駒台にあれば、だいぶ事情が違っていた。
戻って△7七金と形を決めたのもおかしかったかもしれない。

以下は少年がうまく指し、またも私が負けた。だが彼には飛車落ちでも、まだ誤魔化せる。
ここで3時休みである。加藤女流二段はここまで全勝で、ゴキゲンである。私は加藤女流二段に教えてもらうべきだったのかどうか、微妙だ。

Shin氏とは藤井聡太二冠の件で、話題が弾む。とにかく藤井二冠の成績がすごすぎて、並の賛辞では合わない感じだ。
3時休みが終わり、私はTaga氏と指す。例によってTaga氏が角道を止めない四間飛車。だから私が角道を止め、天守閣美濃に構えた。
将棋は完全な持久戦から攻め合いになったが、二枚飛車を擁したTaga氏のほうがよい。

だが第1図でTaga氏が▲5二ととやったのがまずかった。以下△4七と▲同銀△同金▲4一と△3八金打▲1八玉△3七金寄まで、私の勝ち。
戻って第1図では▲5二竜とすべきだった。次に▲3一竜があるので私は△4二金打とするしかないが、▲5四竜くらいでTaga氏が優勢だった。
本局のような将棋を見ていると、どちらも勝利をイヤイヤしている感じだ。
「また大沢さん、天守閣美濃をやりましたね」
とTaga氏。
「そうだった?」
同じ相手に同じ戦法を指すとは、私も芸がなかった。次は別の作戦で行こう。
(つづく)
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