一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

4月17日の大野教室(中編)

2021-04-28 00:07:11 | 新・大野教室
大野八一雄七段は戻ってきていた。大野七段からの電話にご母堂が出なかったのは、いたずら電話と思ったかららしい。さすがに棋士の肉親である。それだけ警戒心があれば、少なくとも詐欺に引っ掛かることはない。
加藤圭女流二段はTok氏に指導しているが、下手が必勝形である。だがTok氏は逃がしてしまった。勝ち将棋を勝ち切ることは難しい。
私の4局目はOk氏と。Ok氏は最近ある戦法にはまっていて、自陣は▲5八玉▲4八銀▲6八銀▲3九金▲7九金とし、飛車角を9筋に集中させ端攻めする構想だ。いわゆるお神酒指しである。
ただ銀桂が伴わない攻めなので、ハメ手戦法の域を出ない。これをOk氏がいつまでも愛用しているのが理解できない。
私の後手で始まり、Ok氏は案の定例の戦法だ。しかしすぐに咎める手もなく、私が無策に指していたら、Ok氏に大チャンスが訪れていた。

第1図からOk氏は▲4四角としたが、逸機。△同歩▲同飛に△4三歩で、攻めが止まってしまった。戻って▲4四角では飛車で行き、△同歩▲同角(参考図)なら、▲1一角成と▲8二歩成△同飛▲7一角成を見て、優勢だった。

意外に手ごわいOk流だが、この戦法はほかのそれと違って進展性がない。次もこの戦法で来てくれるなら、楽勝である。悪いことは言わない。Ok氏は早くこの戦法から脱却したほうがよい。
5局目は新規?の男性氏と指すことになったが、直前になって、大野七段に教えていただくことになった。土曜の昼に教えていただくのは久し振りである。

初手からの指し手(角落ち)。△6二銀▲7六歩△5四歩▲5六歩△5三銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲4八銀△4二金▲3六歩△8四歩▲6八銀△6四歩▲6六歩△5二金右▲7八金△8五歩▲7七銀(第1図)

大野七段はいつもの出だしだが、私はどう指していいものか、作戦を迷っていた。3月26日の金曜教室では雁木にして負けたので、今回は矢倉を目指した。これもかなり久し振りである。

第1図以下の指し手。△6三金▲6九玉△7四金▲5八金△6五歩▲同歩△同金▲5七銀△5五歩▲同歩△同金(第2図)

大野七段が△6三金~△7四金と繰り出して△6五歩と歩交換にくるのも常套手段。ここで私の左にShin氏が入った。その向こうは小学校低学年の少年が対峙している。
大野七段は△5五歩からまたも歩交換。私は不愉快だが、これは上手の権利と割り切るしかない。

第2図以下の指し手。▲5六歩△5四金▲6七金右△2二銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛△3四歩▲5五歩(第3図)

第2図からは▲2四歩△同歩▲2五歩△同歩▲同飛が見える。しかし以下△5四金▲2四歩△2二歩は、2筋を凹ましても1歩損が痛い。それで▲5六歩と収めた。
ここらあたりで加藤女流二段が、大野七段に指導対局を受けに入った。講師から生徒にスイッチである。ところが、彼女のお気に入りの席は私が占めていたようだ。加藤女流二段は私と反対側の座布団に座った。
私は▲2四歩から1歩を交換する。私も学習して、歩交換はしたいときにするようになった。
△2三歩には▲2八飛の予定で、指す前に棋譜用紙に書いていたのだが、思い直して▲2五飛と途中下車した。またもプチ一公流である。
△3四歩には思い切って▲5五歩と突いた。この成否は。

第3図以下の指し手。△6四金▲5六銀(第4図)

第3図では△3三桂▲2八飛△5五金がある。しかしそこで▲3五歩があり、指せると思った。だがいま考えてみると以下△3五同歩▲3四歩△4五桂▲4六銀△同金▲同歩△3七銀▲同桂△同桂成(参考A図)は、下手が駒得とはいえ容易ではない。

手順中▲3四歩で▲5六歩も、△5四金▲3四歩△4五桂▲4八銀△3六歩で、桂を取り切れない。
実戦で大野七段が△6四金とよろけたとき、ホッとした気持ちが強かったが、それは当たっていたのだ。ともあれ▲5五歩のツッパリが通り、私は▲5六銀と立って、やや模様がよくなったと思った。

第4図以下の指し手。△4四銀▲6六銀△8六歩▲同歩△同飛▲6五歩△6三金▲8七歩△8二飛▲4六歩△7四歩▲4五歩△3三銀引(第5図)

△4四銀にはこちらも▲6六銀と出動する。
△8六歩▲同歩△同飛に▲8七歩は、△8五飛と頑張られると思った。そこで煩雑を避け、▲6五歩△6三金を決めてから▲8七歩と謝る。
そして▲4六歩~▲4五歩。これに△5三銀は▲5四歩の突きだしが利くので、大野七段は△3三に銀を引いた。しかしこれは上手の本意ではなかったと思う。

第5図以下の指し手。▲7九角△2四歩▲2八飛△2三銀▲4六角△7三桂▲5四歩(途中1図)
△8四飛▲6四歩△6二金▲5五銀左△5二金左(第6図)

現状、働いていないのは▲8八角である。よって▲9六歩~▲9七角から▲6四歩を考えたが、それは△6二金で大したことがないし、角頭も気になる。
そこで▲7九角と引き▲4六角を目指した。ここの角は好点である。
△7三桂に▲5四歩も気持ちよい突き出しで、△同金はもちろん▲7三角成である。

△8四飛のところで、小学生の将棋が終わったようで、感想戦が始まった。
私は冷静に局面を見て、ここはどう考えても下手がうまく指していると思った。
私は▲6四歩も利かし、▲5五銀左。大野七段は△5二金左と寄せたが、やっぱり私がよく指していると思った。

第6図以下の指し手。▲7七桂△1四歩▲6五桂△同桂▲同銀△9四歩▲5七角△8一飛▲7四銀(第7図)

Shin氏がこちらの将棋を見て、「どちらも似た将棋になってますね」と笑う。見ると、Shin
氏も矢倉から二枚銀を繰り出し、手厚い形になっていた。
第6図で▲3七桂と跳ね、▲2五歩△同歩▲同桂とする手もあるが、△2四銀右ではっきりしない。そこで▲7七桂と跳ね、この駒を駒台に乗せることにした。
そうして桂交換となったが、こうなるなら先の▲5五銀左は余計だったかもしれない。
△8一飛に▲7四銀と歩得したが、あまり感触はよくなかった。

(つづく)
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