一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

新・悪夢の社団戦(5)

2018-07-08 00:12:45 | 社団戦
戦況を見ていると、大野教室に通っている女性に声を掛けられた。今回彼女は、7部の「大野教室2」に参戦したのだ。
結果を聞くと、勝ったらしい。
「四間飛車でした。相手に穴熊に囲われて…」
「ほう、どうやって破ったの?」
「端攻めして」
「おおウ!!」
イビアナに端攻めで勝つとは、ずいぶん本筋の攻略だ。彼女も私の想像以上に強くなっているようだ。おめでとう。
我が将棋ペンクラブは、1勝6敗で終えた。またこの数字か!
整理すると今日の4戦、
「1-6」「0-7」「3-4」「1-6」
だった。私以外が勝ち星を挙げたのは、3回戦のみ。私の想像を越えた、なかなかの数字である。
もっとも私個人だって2勝2敗。うち1勝は手合い違いだったから、実質1勝だ。ナニ、ほかのメンバーと似たり寄ったりである。
A氏によると、某棋戦で長野県代表になった強豪がいて、彼がチームに合流すると、周りも引っ張られて好成績を挙げるとのことだった。今回は各自が力を出し切れなかったようである。
「大沢さん、飛車振るんだもんなあ。消極的だよ…」
とA氏。いやいや、私は振り飛車が好きなのである。

さて、打ち上げに向かう。休日ではあるが、外に出るとまだ陽は高く、やや気が引ける。
参加者は木村晋介会長以下、A氏、Hos氏、Kan氏、四将氏、七将嬢、私、ゲストのOsa氏の8人。Hos氏とKan氏は後から来る。
居酒屋「和民」に入る。生ビールと日本酒がそろって、乾杯。私は酒は飲まないが、ビールの最初の一口は美味いと思う。
成績はみんなヒドかったから、個別の発表はなし。将棋ペンクラブは楽しく飲むのがモットーである。
私の向かいには、七将嬢が座っている。ふだん女性が近くに来ることはないので、緊張してしまう。
Osa氏が扇子を見せる。今日Hos氏の古書店から購入したもので、大山康晴名人や坂口允彦八段(いずれも当時)らのサインが入っている。1967年の書で、チェス関連らしい。
そのOsa氏が、「この前は大沢さんにだけ負けたよ」とぼやく。5月19日の関東交流会だ。
それでもOsa氏は最多勝だった。中原誠十六世名人の色紙をゲットしたからいいだろう。
七将嬢は勉強熱心で、今も北浜健介八段の手筋本を手にしている。
見返し部分には5手詰の詰将棋が認められているが、これが存外難しい。私がやっと解いて解説するが、誰も将棋盤を持っていない。ここがやや甘く、かのチームだったら、すでに3面はテーブルに出ているはずだ。
七将嬢は稲葉陽八段のファンだという。この21日には静岡市で渡辺明棋王VS稲葉八段の日本シリーズが行われるが、見に行くという。彼女はプレーヤーでもあるが、これぞ「見る将」の真骨頂であろう。
また佐藤天彦名人のファンで、「佐藤名人」のうちに初段免状を獲りたいらしい。先月の防衛で「佐藤名人」が1年延びたが、間に合うだろうか。
Hos氏とKan氏が合流し、改めて乾杯となった。
ではここで、席の配置を記しておこう。

   窓
七将 Osa Hos A
               窓
一公 Kan 会長 四将

Hos氏が盤駒を一組持っていて、四将氏と将棋を始めた。Hos氏は本戦で指せない分、将棋に飢えているのだ。
みんなどんどん料理を頼んで気持ちがいい。その分お金がかかるが、そういう細かいことを気にしないアバウトさがいい。
七将嬢が席を外した時に名前を確認すると、Akuさんといった。ああ、彼女か。彼女が初めて交流会に参加した時、Mさんが彼女に交流会レポートを依頼したのだ。
そのAkuさん、今年は関西交流会にも出席したという。すばらしい行動力である。
衝立の向こうには、5人組の男性がいる。やはり将棋盤を持ち出していることから、こちらも社団戦の打ち上げである。今日は浅草界隈に、多くの愛すべき将棋バカが散らばっている。
将棋は、木村会長―Hos戦になっていた。木村会長ももちろん、無類の将棋好きである。でなければペンクラブの会長など務まらない。
Kan氏が、チェスクロックの秒読みの声が聞こえなかったという。自身が時間切れ負けした時の状況だ。
私も秒読みが聞こえなかったのだが、たとえば乾電池の残りが少なくなってきた場合、どこに不具合が出るのか。もし秒読みの音が小さくなるのだったら、問題だと思う。

Aさんには事前のメールで、打ち上げでは観戦記の話を聞かせてください、といただいたこともあり、私たちはその話題になる。ほかのチームの打ち上げでは考えられないことだ。
私が今回の選考において、ある観戦記を酷評したのだが、Kan氏が大きく頷いている。私も気分がよくなって、いろいろしゃべってしまう。
そんな私たちを、Akuさんがポカンとして見ている。ペンクラブ大賞において、みながここまで真剣に事を運んでいるとは、想像していなかったらしい。しかしこの真剣さがあるから、棋士やライターも受賞をよろこんでくれるのだ。
開会して2時間半後ぐらい経ったろうか。木村会長が「締めの食事を頼もう」と言った。
だがそれを食べ終わると、また将棋を始めてしまった。
しばらくして、今度はAkuさんがHosさんと将棋を始めた。打ち上げで女性が将棋を指すのは珍しい。
さっきのKan氏の頷きに違和を感じたので質したら、私が酷評した観戦記は、Kan氏が選んだものだった。私は恐縮するばかりである。
私はなおも、某氏の文章に文句をつける。氏の文章がおもしろくない理由、それは自分の意見を述べていないからであった。

結局、散会したのは9時半ごろか。社団戦の参加費は日割りで、100円単位まで算出した。会計も、私は酒類の注文が少なかったということで、1,000円安くしてもらった。なかなかに手厚い配慮で、感激した。
私は3局目の将棋が頭から離れなかったが、久しぶりに他人と会話して、とても楽しかった。
私の次回の参加は未定だが、将棋ペンクラブの昇級がないことだけは、断言しておこう。
コメント
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