感染症診療の原則

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0歳児のいる親と感染症

2010-08-25 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
オーストラリアのクイーンズランド大学に留学中の林先生がときどき現地の感染症情報をおしえてくださっています。(編集部内ではこそっとオーストラリア特派員というカテゴリーで情報が蓄積されております^^)

林先生は、ご家族と留学されているのですが、先日、3番目のおこさん(お嬢さん)が誕生。
妊娠中からの保護者への予防接種教育も経験されたそうです。

そして先日は2ヶ月目の予防接種がありました。
場所は近所の教会。看護師が出張してきて接種してくれます(医師はいない)。
病院で病気の人たちと一緒に待合にいるのはイロイロ危ないですし、家から近いところだと親もいきやすいですね!

日本だったら地域の小学校の体育館を借りたり、町内会館などよいかもしれません。

2ヶ月目の接種内容は Infanrix Hexa + Prevenar + Rotateq
気になる費用ですが、外国人でも無料だそうです。

Infanrix Hexa とは、「6種混合」ワクチンです。つまり、三種混合+Hibワクチン+B型肝炎ワクチン+不活化ポリオワクチンです。何度もブスブスさされなくってありがたいです。
(日本では18000円~20000円前後で接種してくれるクリニックがあります。詳しい先生たちの動きは早いです^^)

Prevenarは肺炎球菌のワクチン。Rotateqはロタウイルスのワクチンです。




そして林先生と奥様にはナースがこういいました。
「お父さんお母さんはboostrixは済んでますか?」

成人用破傷風+百日咳+ジフテリアです。日本にはありませんが、意識の高いクリニックが輸入して接種してくれます。1回だけで、10000円前後です。タイで受ければ安いです。旅のついでにワクチンなんてのがそのうち流行するかもしれませんね。

(すごい。プロ意識が違う・・・)

何か複雑な要素のある場合はGPを紹介され、そこで医師が対応します。
外国人の場合は受診には4000円かかるそうですが(予防接種自体はそれでも無料!)、市民権や永住権のある人はこの4000円も無料だそうです。

巷にはアメリカ情報が多いですが、オーストラリアの仕組みなども参考にしていきたいですね。

(日本では外国人のお子さんなどはどうなっているんだろう???)

しかし。気になる事件もおきています。
それは、ご自宅から車で2時間ほどのエリアで麻疹がアウトブレイクしていること。

公衆衛生当局には7例が把握されているというニュースが24日報道されています。
●●番地のマクドナルドに症例がいたことがわかっており、記事ではそこにでかけた感受性のある人たちへのアラートを出しています。

このようなニュースをみると0歳児のいる親御さんはとても不安になります。
なぜならばまだ麻疹のワクチン(MMR)を接種できない状況だからですね。
日本でも同じ体育館にいただけで感染してしまうくらい感染力が強く、感染すれば重症化する率がとても高い病気だからです。(免疫低下がおこります)

まあ、日本では最近「予防接種はヨクナイ」という人たちの事件もありました。
日本学術会議の会長がコメントを発表していますが。今後も予防接種関連情報は、反対の人、商売系の情報と、いろいろ注意が必要です。

写真:生まれたその日にHBVワクチンを接種する(無料)Momoちゃん
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