感染症診療の原則

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de-escalationが広域乱用のExcuseに

2015-02-21 | 青木語録
超珍しく環境感染学会にご招待されてお話する機会を与えられました。

お題は「抗菌薬の適正使用を阻むもの」というもの。

青木編集長を招聘して「この話題」とは気は確かなのか・・? 
と本人も周囲も思いましたが、伺いました。

会長の荒川先生、座長の藤田直久先生、ご英断です。

1000人が入る会場で、「大きいな・・」と一瞬、威圧感を感じましたが、
嬉しい事に、あちらこちらに中部病院の後輩やIDATENの仲間が来て下さっており彼らの存在による援護射撃を感じながら放談して参りました。
DセンターのO先生、 K戸大学のI先生、亀◎のH先生、沖縄県立中◎病院のS先生(丸わかりだろう・・)
ありがとう!!

え・・?! 何を話したか?

決まってるやんか感染症診療の原則をModifyしたお話です。
(座長の藤田直久先生のご配慮で京都の女性に複数囲まれたDinnerを頂いたので一過性京都弁)

一部をご紹介すると

#1:all ‘new’ antimicrobial targets are old
・本当の意味での新しい抗菌メカニズムの抗菌薬を作るのは難しい
・微生物は未だに存在しない抗菌薬に対して既に耐性を持っている、あるいは耐性になれる

Jennifer H. Martin & Albert Ferro
Br J Clin Pharmacol 2015;79:165–

・なので「微生物を殺す」という方法以外の戦略を。(例:ワクチン、菌を弱毒化、毒素を抗体で中和など・・)

#2:de-escalationが広域乱用のExcuseに
・広く始めて、de-escalation、狭める・・これではいつもStartは広域。
・広域に始めるべき臨床状況を見極める努力を怠るExcuseに「de-escalation」が乱用されてる
・狭く始めて必要に応じて広げるという戦略も安全。

(タイトル写真:40年ほどまえ編集長がネパールで水道工事をした時の仲間と)
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