みれいの近郊生活(ITI)

変えられる事も・変えずに済む事も重要

自宅から目的地まで

2014年09月28日 | 公共交通
東京近郊では公共交通が‘一般的な移動手段として認識’されてい
るようですが、どこへ行くにもクルマの人が多い地域では公共交通
は‘交通弱者のための福祉としての認識’があると思います。

栃木県ではJR湘南新宿ラインや東北新幹線の列車が運転されていま
すが、通勤・通学で公共交通を利用するのは数%の割合です。
JR宇都宮駅東口の駅前

「JR宇都宮駅東口の駅前」

  クルマなら自宅から目的地まで直行出来るので
  駅前や街なかを通る必要がありません。
  むしろクルマで走りにくく・クルマを駐めにくいので敬遠され
  る傾向にあります。


この様な都市の空洞化について
雑誌『週刊ダイヤモンド』(2014年9月20日号)で宇都宮 浄人さんが

「中心市街地の衰退、交通弱者、買い物難民をもたらし、ひいては
 引きこもり、無縁社会など、看過できない問題にもつながってい
 る。」

と指摘されています。
クルマで自宅の前から目的地の前まで行きたいというニーズは根強
く、岩手県釜石市のイオンタウンも

「駐車場から売り場まで距離があって不便。
 近場の小さいスーパーの方が利用しやすい。」

という声があるようです。

これでは鉄道は利用者が減少して赤字になってしまい、
民間企業の営利事業としては継続が難しくなってしまいます
(近鉄では急行停車駅も無人化)。
ではバスに転換すればいいのかといえばそうともいえません。
自宅の前から目的地の前まで行きたいというニーズが強いので、
デマンド交通が導入されつつあります。タクシーはもちろん
路線や停留所が規定されているバスも影響を受けます。
そんななか収支率が80%もあれば良いほうですが、それでも赤字で
あることには変わりありません。
自治体も停留所で乗り降りするバスよりも自宅前で乗り降り出来る
デマンド交通に財政支出を向けるようになってきています。

~~~~~~~~~~
BRTの祖先ともいえる奈良県五條市の五新線専用道が老朽化により
2014年9月限りで使用を終了します(10月からは国道168号を経由)
[奈良交通バスのサイト→]
赤字でも地域にとって必要というなら
自治体が支援をして民間企業の赤字を埋めるという形ではなく、
自治体が事業主体となり民間企業に業務委託をして
住民も応分の負担をしていくべき時期が来たと思います。


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