Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

ユースアンドオーシャンプログラム「タコ見るのはじめて!!」

2008-12-14 | シーグラントカレッジプログラム
 本日,ユースアンドオーシャンプログラムが開催され,LHSの大学職員が地元の中学生にタイドプールでの体験活動を実施した。日本でも同じような活動が全国各地で実施されている。違いは何であろうか?

 まず,一つは中学生を対象に大学のEducatorが主体となって海洋での体験活動を実施していることである。日本では,NPOなどが主体となっているが,このマリンサイエンスアカデミーでは,NSF(全米科学財団)の支援を受けて,現場に出向いて体験活動を指導している。その考え方には,研究者が教育に参加することによって,自分たちの研究の社会的評価が上がると言うこと,そして教育することによって将来の研究者と育てるという事につながるということが背景にある。
 二つ目はサンフランシスコ近郊のオークランド市にある学校に通う小学生たちは全く海で遊んだことがないことである。日本も,最近は少ないといわれているが,それ以上である。サンフランシスコ周辺は,カルフォルニア海流で冷たく,海水浴ができないと言うことも理由の一つである。
 三つ目として,科学の喜びを実感させることに大きなポイントを置いていることである。なぜ,このような海に行ったこともない子ども達がマリンサイエンスアカデミーに参加するのであろうか?その理由は,海はとても未知の世界であり,わくわく,どきどきという体験が,普段海とほとんど関わりのない生活をしている彼らにとって強烈なインパクトを与えるからである。マリンサイエンスアカデミーのねらいなのだ。発見する喜び,感動する喜び,それを自然を通して体で体験させる。日本でも五感を使ってといわれるが,ちょっとニュアンスが違う。日本は古来より,自然に親しむことで豊かな心をはぐくんできた,そのことが理科の目標として強調される。もちろん,発見する喜び,感動する喜びも同様に強調されるが,今回のアメリカでのイベントでは前者の部分はなく,発見する喜び,感動する喜びが強調される。
 この体験を通して,自分たちで新しい発見をする,すなわち科学をする喜びを実感するのである。この点が,重要である。こうした考え方は,既に50年前からR.カープラスによってラーニングサイクルとして提唱されている。それを長年にわたり実践している。実際に,本日参加協力した大学4年生のアレックスは,小学校の頃,海の体験プログラムを体験し,将来はマリンバイオロジストになりたいと強い希望を抱き,難関を突破してUCBに入学したという。すでにPHD進学を考えているようだ。
 四つ目は,海洋生物を食べないことである。食べると言うことは産業的に利用する,応用すると言うことに繋がる。今日の態度プーリングではタコをつかまえて喜々としていたが(写真),おいしそう,どうやって食べるという発言は全くなかった。日本では,科学的な発見の喜びと言うよりは,どうやって食べるか?つまりどうやって自然から恵みをいただくかという考えの方が先行する。たとえ,東京湾のある地域で採れた魚でも。
 これから大切になっていくことは,お互いのこうしたリテラシーの違いを理解し合うことであろう。まず,私たち日本人は,海の発見する喜び感動を通して科学の楽しさ喜びできるだけ多くの人々が体験すること,そして日本の独自の自然観をもっと海外の人々に紹介していくことであろう。このことが,持続可能な社会の実現に繋がっていくのではないだろうか?

Mare staff conducted Youth and the Ocean for Middle school ( Lionel Wilson College Preparatory School) in Half moon bay near San Francisco.
aspects: University staff conduct hands-on activities in ocean,
Students don't so much familiar with ocean less than Japan.
The academy aim to enhance the enhance awareness of ocean especially scientific thinking.
On the contrary, Japanese apt to think about the ocean as the place to get food.
When they catch the octopus, they may apt to think whether it is possible to eat or not.
I think we need both thinking to sustainable development for future.