室蘭市には、遺跡がないものと思われている人が、結構います。
隣の伊達市には、北黄金貝塚など、名の知れているのか見学に来る人が北海道ばかりか、全国からやってきます。
室蘭市は、実際に縄文遺跡がないのでしょうか。
室蘭市の学芸員の松田宏介さんの講演を聞く機会がありました。
講演を聞いていて、この考えは、大きな間違いだとわかりました。
明治、大正期から、室蘭は、貝塚、チヤシなどの遺跡ばかりか、土器、石器ばかりか土偶や骨角器が出土する遺跡として全国に知られていたのです。
その一端を室蘭市民俗資料館でみることができます。
北海道の「続縄文時代」の名付けたのも、室蘭市の本輪西貝塚の発掘調査をされた、山内清男さんが提唱者と言われています。
土偶は明治時代や大正時代に出土しています。
ところが、室蘭にあるのでなくて、東京国立博物館や旭川市立博物館などに収蔵されています。
これは、大正期に作られた室蘭地区の遺跡地図です。(北海道史より)
現在は、3メートルの高さもあったという本輪西貝塚は、宅地になっていてみることができません。
しかし、室蘭には遺跡がまだ、眠っているものがあるそうです。
それと、発掘された、まだ、表に出ていない資料が、山ほどあるそうです。
松田さんは、この資料を、どのように整理していくか、苦笑していました。
室蘭市民が動き出し関心が高くなっているので、喜ばしいことです。