縄文の風

「北黄金貝塚公園」を中心に
噴火湾沿岸の遺跡情報を発信します。

「縄文土器」の解読がおもしろい。

尖底土器・視点02

2021年10月30日 | 縄文ドキッ

尖り底土器の作り

静内中野式土器を観察して尖り底の意味が解読できると楽しい。

函館市の中野B遺跡と混同しますが同じ時期の遺跡として扱います。

今まで「北黄金貝塚」「椴法華」「函館市(中野B 遺跡)」を取り上げてきました。

 

「静内中野式土器(静内中野式尖底土器)は、縄文文化前期土器の標識資料で、胎土に大量の繊維又は撚糸を含んでいることが特徴です。」以上は解説文面です。

「繊維土器」とよんでいますが「粘土紐を積み重ねる方法」よりも一般化した土器の制作方法なのです。よく土器を拡大して眺めて下さい。何か気がつくと思います。

土器は粘土紐の積み重ねで製作する方法が定着していて繊維に土器をしみ込ませたり塗ったりして作る方法は敬遠しているのでしょうか。実践の事例があまりないようです。

ここに北黄金貝塚の土器の一部を拡大していますが繊維が組み込まれています。

ところで「なぜ土器を作るのか」と問われると「儀式」に使用するため作るのです。今まで扱った土器はほとんどが煮炊きをする道具ではないのです。

煮炊き用は別に質素で小さめな土器が別にあると考えます。

「煮炊きをするために土器がつくられる」という常識が崩れてしまいそうです。

次に、何のために尖り底土器を作るかです。

大地の主に「ここに穴を掘って柱を立て住居を作ること」の願いをして安心してこの大地で生きて行けるようにと願っていると考えます。
大地の主にお願いするための表現だと思われます。現代ヒトは「地鎮祭」を行います。同じ意味かも知れません。

 

深い竪穴であれば平底の「鉢形」の器形になると予想します。深い海を生活の場にするには「円筒型土器」になるのです。

「おらの世界を土器に表す」

まだ、尖り底土器に関して課題解決までには時間が必要です。何しろ事例も前例もない未知の課題ですから。

縄文楽  浄山


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