井戸尻土器
1、土器について
「蛙の図文と蛙と人間の間の子みたいな半人半蛙(はんじんはんあ)の精霊の像で、それらは双環で表わされた大きな両の眼と3本指の手を持ち、紡錘形や円い胴体をしているのが特徴的である。3本指の手はふっくらとし、赤ん坊の手首のように括(くび)れて瘤(こぶ)状に盛り上がり、それに紡錘形の蛙の背には、女性器の意味が重ねられているようでもある。」このような説明文がある。
この土器は「酒造り」だとか「縄文太鼓」だとかいわれているようだが、これは、縄文ヒトの生き方をどのように理解して語っているのだろうか。
北黄金貝塚には「全てのモノに命がある」そして「全てが生きる」という「縄文ヒトの生きる鉄則」が掲示してある。
このことからも「遊び」と思える土器は存在しないことになる。
2、土器の解読
土器は、実際に見ている景色や環境を表わしていると解釈している。環境は目の前の「蓮池」をながめながら小さな幼子が命を落とした。土器に「早く生まれ変わってくるように」という願いをこめて「土器に入れて」逆さまにして土に埋めた「埋棺」と考えられる。祭祀用の土器は形よく多く残っている。
「目」は見えない所も遠くも地下も「鳥の目」のようによく見える
「網状」は埋めた時に外に中のモノが出ないようにする仕組み
「中空」は「空」の道である(地母神)
「母胎」は、命の再生を願っている
「蓮根」は食べ物に不自由しないようにと腹面に描いている。
祭祀用の土器といえる。
3、思う事
土器には「縄文ヒト」の生死にかかわる願いが込められていると感じる。
土器の器形や文様には「意味」がある。その意味を解読することが縄文ヒトの心を知る手掛かりになると思う。縄文ヒトになったつもりで解明することは難しい。現代ヒトの考えは「欲」「遊び」が入ってしまう。精霊はあり得ない。同じヒトである。
縄文土器を解読して縄文を語るのが急がれる。
縄文楽 浄山(北黄金貝塚ガイド 小倉)