クイズ「小さい発見が頭を元気に」
●クイズ効果
講義がだれてきたようなときに、クイズを入れると、一気に学生が元気になります。
たとえば、先日の知覚心理学の授業では、多義図形。「もう一つの見え方を探してください」とやる。頭をかしげて、そして「わかった」と顔を輝かせます。
クイズは、頭を元気にするには、もってこいですね。
さらに、相手に回答させることで、相手の頭の働きをこちらに巻き込んでしまう効果もあります。
たぶん、あなたも、普通の会話で、似たようなことをしたことがあるはずです。
「ねーねー、太郎が何で花子と結婚したか、知ってる?」なんてクイズ風の会話ですね・
今回は、こうしたクイズの元気づけ効果を考えてみたいと思います。
なお、ここで、クイズは、かなりルーズな意味で考えてください。「この漢字の読み方は?」といった類の単純クイズから、数学の簡単な問題解きまで含めて考えておきます。共通しているのは、問が出されて、その趣旨をすぐに理解できて、短時間で解答できるもの、というくらいです。
●クイズはなぜ好まれるのか
余談になりますが、クイズはなぜ好まれるのでしょうか。
2つあると思います。
一つは、頭を一気にピーク状態で活動させることに伴う喜びがあります。
問に答えるわけですから、到達目標がわかります。そして、多くは時間プレッシャーがかかります。短距離競争のようのものですね。
大げさに言うなら、瞬間熱中の状態になります、だらだらしていた頭が一気にしゃきっとします。これが快感につながることになります。
もう一つは、応答的な環境からくる喜びがあります。
会話など問を出す相手が目の前にいるときだけでなく、雑誌に掲載されているクイズに答えるときでも、そこには、問を出した「相手」がいます。
解ければ、「さーどうだ!」となります。自分で自分の力を実感できるだけではなく、「相手」にも自分の力や物知りの優位性を誇示できます。
これはうれしいですね。一銭の得にもならないにもかかわらず、クイズ好きになってしまう理由が納得してもらえたでしょうか。
●クイズで頭を元気に
では、クイズをどのように活用すれば、頭を元気にすることができるのでしょうか。
まずは、アクセスする環境を点検してみてください。いつでもどこでもその気になればできる環境がほしいですね。
そして、好みの、というより、頭の元気(活性化)に役立つクイズを決めておきます。
自分は、書斎の机の日めくり卓上カレンダーがクイズになっています。朝机にすわり、パソコンが立ち上がるまでの数分、これに挑戦する習慣がつきました。
最近ブームになっている、任天堂の脳トレなんか、やってみたいのですが、あまりに問題が単純すぎるような気がして、躊躇してます。
もっと手軽には、ウエッブにも、無料で楽しめるクイズが公開されていますので活用してみるのもよいかと思います。登録すると、メール配信してくれるものもあります。(http://www.e-zunou.com/archives/2009/01/20200812.html)
いずれにしても、自分の好みに合ったものを選んでやってみるといいですね。
ただ、クイズのタイプ選ばす、クイズならなんでも、ということもあってよいと思います。
最近は、やりませんが、一時期、週刊誌などに掲載されているクイズはすべて挑戦してみたことがあります。あまりに時間がとられるので、やめましたが、「クイズを選ばずクイズならなんでも」も頭を柔軟にするにはあってよいとおもいます。
●クイズは出すのもおもしろい
冒頭に紹介したように、講義では、時折、クイズを出すようにしています。ただ、これは、大変です。講義の流れにそった内容のクイズはそれほどはありませんし、自分で考え出すのも大変です。それでも、40年も講義をしていると、だんだんと蓄積されはきます。
今試みているのは、講義の随所で、「ちょっと考えてみよう」という問を出して、5分間くらい考えさせることです。ノート取りに懸命になっているところに、突然、「考えてみよう」は、教室の雰囲気を変えます。単調さを打ち破るのに効果があります。
また、自分にとっても、そうしたクイズを考えることで、講義内容への理解も深まるところがあり、一石二鳥です。
こうしたクイズ作成で注意していることは、3つです。
① すぐに答えられること
② 正解はないが、ちょっと考えてみたくなるもの
③ 時間は、5分限定
これも冒頭でも紹介しましたが、日常の会話でも、相手をこちらのペースに巻き込みたいようなときには、クイズ形式も極めて有効です。そんなときに使うのは、一発解答が可能なやさしい問か、逆に、まったく解が思いつかないような問、というより相手がすぐに「わからない!」と根をあげるような問が、効果的です。会話ですから大事なことは、やり取りの流暢さです。問がその流暢さを妨げてしまってはまずいですね。