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恐れ———恐れが安全を保証する「安全・安心の心理学」

2020-05-07 | 安全、安心、
05/11/14
恐れ———恐れが安全を保証する
●恐れが消費を動かす
これは、05年11月8日付け朝日新聞朝刊の見出しである。この見出しのもとで、東急エージェンシーの調査結果を紹介している。
20代から50代800人の回答として、
「自然災害への備え」73%、
「凶悪する犯罪への対応」44%、
「生活の安全を守るためのセキュイティ対策」41%

が、トップ3であったとのことである。
安心、安全が保証されていると感じているときには、人はそれを求めない。こうした調査結果が出てくるのは、よほど、安心、安全が脅かされているとの感じを人々が強く持っていることの証であろう。

●恐れの感情を分析する
 恐れは、不安と違って、対象がはっきりしている。地震が怖い、火事が怖いとなる。それだけに、あらかじめそれになりに対処できる。
前出の調査でも、「2重ロック」「地震保険」「ホームセキュイティ」がトップ3の対処方策になっているのは、恐れの対象がそれなりはっきりしているからに他ならない。もっとも「地震保険」だけは、事後対処になるのだが。
恐れの感情には、本能的、つまり人に生来的に備わっているものに由来するものと、体験によって作られるものに由来するものとがある。
本能的な恐れとは、生命を脅かすものが身の回りに近づいた時に感ずるものである。地震や自然災害などのような突発的な環境変化、未知の対象と突然の遭遇の接近は、誰にも恐れを感じさせる。**注1

もう一つの体験に由来する恐れの感情とは、地震や自然災害に対する恐れにも一部あるのだが、過去に自分が体験した被害体験がベースになっているものである。交通事故を体験した人は、車に対して人一倍、恐れを感ずるはずである。
いずれについても、知識が恐れを作り出すこともある。とりわけ、マスコミ報道などを通して得られる知識は、恐れの感情を広く浅く人々の間に伝播する。

●恐れを活用する
危険を恐れることによって、あらかじめ危険に備えることは大事である。安心、安全の行政施策としても、恐怖キャンペーンは定番である。「こんな怖いことがあるから、こんな備えを」はそれなりに有効である。**恐怖キャンペーンの例を脚注に**
交通事故を恐れる人は、慎重な運転を心がける。地震を恐れる人は、地震対策をしっかりとする。

しかし、恐れも結局は個人の感情であるから個人差がある。恐れの感情が弱い人、つまり勇敢な人もいる。また、体験も人それぞれなので恐れの対象にもかなり個人差がある。したがって、いつも恐怖キャンペーンが効を奏するとは限らない。

●無謀な人への対策
 車を運転していても、実に無謀な人がいる。速度制限なにするものぞ、追い越し禁止車線こそ追い越し時とでも思っているかのような無理な追い越しなどなど。危険きわまりないが、それこそが運転の醍醐味のように思っているらしいのでやっかいである。しかも、無謀運転は、注意を集中してやっているので、ただちに事故、ということにはならないだけに余計、事が面倒である。
法規違反には厳重対処してほしいものだが、取り締まりにも限度がある。免許更新時などの通り一片の教育の効果も期待できない。
無謀な人は、災害、防犯にもあまり関心がない。その時はその時という諦観もあるだろう。危険に怖じ気づくのもいさぎよしとしないとの思いもあるかもしれない。
リスク・テーキングな(危険を見込んでの)行動には、一般に、ポジティブで挑戦的というイメージがある。スポーツや研究開発などでは、その通りである。スポーツや研究開発が、安心、安全第一ではまるで面白くないし、創造的な発明発見は期待できない。

しかし、事が安心、安全にかかわる領域では、リスクのある行動は、不安全行動に直結するので、厳に戒められている。ハインリッヒの法則*注2 を持ち出すまでもなく、不安全行動の放任は、いずれ必ず取り返しのつかない事故につながってしまうからである。

対策としては、早い時期からの安心、安全教育の教育くらいしか思いつかない。それも、危険体験をさせることが必須であるが、その危険性におびえてしまって学校ではなかなか手が出せないのが現状である。これは、家庭の責任でおこなうしかない。
 
●恐れに怯えない
恐れも過度になると、生活に支障をきたす。それだけが気になって恐れへの対処で日々をびくびくして過ごすことになる。
恐れの実現は確率問題である。直下型地震の発生を恐れてそれなりの備えをすることは大事であるが、そのために日常生活を劇的に変えたりするのはやりすぎである。

気持ちのどこかに、その時はその時、という居直り感があってもよい。あるいは、これだけ備えたのだから大丈夫、ということもあってよい。
一人で恐れていると、恐れが恐れを呼んでしまうことがある。窓中鍵だらけ、それでも恐ろしくてーーーとなりがちである。可能な限り、安心、安全のためには、人とのつながりを保つことも大事である。(K)



*注1 感情と情動の区別は心理学でもややあいまいである。ここでは、恐れは感情、恐怖は情動を意味する。情動とはその時その場での全身体的な反応であるのに対して、感情は状況から一定の時間的、物理的な距離をおいた穏やかに持続する気持ちである。

注2 ハインリッヒの法則

最近、地震が多い

2020-05-07 | 心の体験的日記
関東は地盤の関係で地震が多いらしい。
でも、そのかわり?あまり大きいのはこない、と昔、仲間の地質学者に聞いたことがある。
それにしても、ここ1週間くらいに3回くらい、夜中にあった。
あの緊急警報が怖さを倍増する。

「参考」
象庁の緊急地震速報は、地震計で地震発生直後に出る小さな揺れを検知して震源や地震の規模を推定し、震度5弱以上の強い揺れが予測された場合に警報として発表しています。 (NHKニュースより)



危機管理でとわれるリーダーの力量

2020-05-07 | 社会
危機時には、誰が力量あるリーダーかがかなりはっきりとわかる。
全国の知事を教材にして、日本型リーダー像を論じてみるのもおもしろそう。
独裁型vs調整型
あたりがすぐに思いつくが、
まだまだありそう。
そういえば、PM理論なんてのもあったなー
それにしても、大阪と東京の両知事は評価をあげたなー
安倍総理はどうだろう?

「参考1」gooニュースより
御厨貴氏による知事たちの通信簿
御厨貴氏による知事たちの通信簿
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北海道鈴木、愛知大村は○、
宮城△、
石川、千葉、神奈川×、
小池都政は? 

「参考2」wikipediaより
PM理論(PMりろん)とは経営学用語の一つ。
これは三隅二不二によって提唱された理論であり、組織においてのリーダーのリーダーシップの構成についてである。
PM理論のPというのは「Performance function」の略であり、
Mというのは「Maintenance function」の略である。

リーダーにPが備わっていれば組織は成果を上げられるようになり、
Mが備わっていれば組織はチームワークを強化できるようになる。

PとMがリーダーにどれだけ備わっているかということがリーダーシップをどれだけ発揮しているかを示す基準となるということである。