4月の幼稚園児は、お母さんと離れるのがいやだと、
スクールバス停で号泣するのは日常茶飯事だそうです。
そろばん教室でも、玄関の外で、泣いている声が聞こえてくる時があります。
「お母さんと離れたくないからそろばん行きたくない。」
そんな園児も教室のドアを開くと、ケロリとしているのです。
ところが、K君は違いました。
幼稚園年長児のK君は、そろばん大好きです。
まず、ドリルがどんどん進むのが大好き!
次々と新しいドリルになるのが楽しみになり、
宿題大好きになりました。
シナプスクラブは基本的には宿題は出しません。
「何故宿題をださないか?」
宿題をだすと、ほとんどの児童が100点で提出します。
指導者が一番知りたいのは、間違った問題です。
正解した問題は、指導者には必要ありません。
それが宿題となると、保護者のかたのチェックが入ります。
指導も入ります。
これでは、指導者は、学習者の問題点矯正の為には、マイナスになります。
K君の、お母さんには次の点を注意していただき宿題を出すようになりました。
①子どもに強制はしないこと。
②全問間違っていても、そのまま提出すること。
③自宅で指導しないこと。
K君は約束通り、宿題をこなすようになりました。
そのぶん、進級にも拍車がかかります。
そのうち、お兄ちゃんと並んでしまい、越してしまいました。
今日の授業では、ドリル終了後に実施する進級テストでした。
前回も進級テストをしたのですが、各種目合格点に及びませんでした。
今日は二度目のテストです。
計測の結果、かけ算とわり算が合格点に達していました。
みとり算が点数不足で、間違い直しをして、帰宅したのです。
1時間後、お兄ちゃんの時間に一緒にやってきました。
「どうしてもプリントをやりたいというので、次の授業時間を前倒しでお願いします」
K君は本日2枚目のプリントを計測しました。
結果は、先と同じで、かけ算、わり算が合格点で、みとり算が点数不足でした。
「ざんねんやったね!」とねぎらいの声をかけたら
「わーん!」と号泣しだしました。
なだめても、なかなか泣き止みません。
いやだといって泣くのは経験しているのですが、合格して次のドリルがほしいって泣き出す児童は
初めてです。それも、幼稚園児です。
5分ぐらいは泣いたでしょうか・・・
交渉の結果、宿題のプリントを家でやってくることで成立しました。
「プリントは測らなくてもいいから、やるだけやってきなさい。そして、次の、そろばんの日にもういちど測ります」
もっとやりたい、と言って泣かれるって、指導者冥利につきます。
がんばれK君!