ドコモから国際ローミング対応の低価格端末「SIMPURE」登場 (ITmedia)
FOMA新シリーズ「SIMPURE」の狙い――2台目端末として旅のお供に (ITmedia)
写真で解説する「SIMPURE N」 (ITmedia)
位置情報に関連する記事ではないのが、気になったので・・・
NTTドコモは、シンプル・低価格に特化した新端末、SIMPURE 600i シリーズを発表した。
従来 700i シリーズがこのような路線を担うものと考えられていたが 700i シリーズの発表から1年が経過し、700i シリーズの位置づけを明確に変更して(これまでも、徐々に変わってはいたが)新たに 600i シリーズの投入を発表した。
今回は韓国メーカーで世界的に実績のあるLG、それに一応はグローバルに展開しているとされている NEC が開発を担当した。
NEC は、恐らく一般的な国内向け端末ではなくボーダーフォン(国内)向けか海外向けのプラットフォームを転用してこのケータイを開発したと考えられる。従って NEC 端末も国際ローミング対応となった。25xi 系のユーザだけでなく、90xi系を使っているユーザーにも、海外旅行の旅のお供に使って欲しいという。
端末のラインナップを増強し、明確にシンプル機能・低価格に的を絞って新端末を出すことは分かりやすい。ただイマイチ分からないのが国際ローミングへの対応だ。ニュース記事を見ていると SIMPURE=国際ローミング対応、と読める。
安価・基本機能に絞り端末を増やすという意味では、新規機能となる国際ローミングは不要のはずだ。今回は NEC、LG というメーカーにより国際ローミングが実現できたが、この機能は他国内メーカーの参入にとって障壁となってしまうのではないだろうか?
次に疑問なのは、N600i の電池のもちの悪さだ。連続通話140分、待ち受け250時間(移動時)という。ターゲットとする例えば N253i は、通話120分待ち受け440時間だ。また FOMA で比較すると、最新の N902i は連続通話140分待ち受け390時間(移動時)、N900i でも連続通話140分待ち受け350時間(移動時)だ。つまり通話時間は同等なのに、待ち受け時間が短い。特にスペックとして悪いわけではないのだが、同じ SIMPURE である L600i と比較すると目立ってしまう。
NEC 製 FOMA と比較して電池のもちが悪い理由としては、
・小型化のために電池容量を削った。
・国際ローミングへの対応のため。
の2つが考えられる。もし後者だとすれば、本来の目的である 25xi 系ユーザの取り込み用途からは本末転倒だろう。
また「海外旅行のお供に SIMPURE」というのもおかしい。なぜ旅行のためにわざわざFOMAケータイを買い増さないといけないのだろうか? 海外旅行のお供に DoCoMo ケータイを持っていって欲しいのであれば、90xi/70xi 系を電池の持ちや重さを犠牲にせずに国際ローミング対応にするのがスジだろう。
推測だが、このウリは DoCoMo とルネサスや TI が共同開発している海外ローミングにも対応できるチップが載ったケータイが出るまでの、つなぎに見えてしまう。
Vodafone の 3G ケータイはおおよそ国際ローミングに対応している(それで Vodafone ユーザーが増えたとはあまり思えないが)。それに対抗する DoCoMo の窮余の一策のように見えて仕方ない。
見た目割り切りのいい SIMPURE だが、「国際ローミング」をうたってしまったがために位置づけがぼやけてしまっていないだろうか?