PDAの変遷から考える、国産スマートフォンの必要性
コラム記事。海外では PDA に代わりスマートフォンが一定のシェアを持っているが、国内ではキャリアが嫌がって導入しないという話。その理由は、キャリアが儲からないからだ。コラムではスマートフォンについて公平に考え、必要であれば日本に合ったスマートフォンの開発が必要だろう、と述べている。
その通りだと思う。わたしは今 SigmarionIII を持っている。がドコモはメリットが無いと思ってやめてしまった。次は何を買えばいいのだろうか。
キャリアはなぜ、スマートフォンに乗り気ではないのだろうか。
まず、PDA は特に通信をしなくても使える機能が多い。キャリアも商売なので、自分たちが儲からないようなことをしようとはしない。
携帯で言えばカメラ機能がそれに当たり、ドコモもそれがイヤで最初はカメラつき携帯には乗り気ではなかったようだが、それが趨勢になってしまいやむを得ずに入れたような経緯がある。このときはそうしないと売れないから搭載した訳だが、スマートフォンが主流になるとは考えられず、結果どこも乗り気にはならないだろう。
次に、インセンティブという制度だ。キャリアからすれば安く携帯電話を売ってたくさん使ってもらうための制度だが、スマートフォンでは電話機能以外に使える機能がたくさんある。そんな機能のためにキャリアとしては補助はできないだろう。
ちなみに、海外ではキャリアとの契約無しに単独で購入すると $520 らしいが、日本で買えば新規1万円くらいだ。その差額がインセンティブと考えてよいのだろう。
キャリアがスマートフォン導入を考えるには、キャリアが儲かるようなスマートフォンを考えねばならない。
まず今の SigmarionIII の問題点だが、
・IE を載せているが見られない Web ページが多い。
・Web ページを見るには遅い。
・ネットにつなぐために、明示的に接続のための手続きがいる。
・(定額制を利用していないので)つなぐたびにお金がかかる。
・PHSを使うためにCFスロットを占有する。
これより単純に考えると、結局超小型のノートパソコンのようになるだろうか。自宅の ADSL につながったパソコンを持ち出したようなイメージだ。通信経路は W-CDMA の HSDPA で高速にする。Bluetoothと無線LANを内蔵する。フルブラウザを搭載する。高速な CPU を載せて高速な回線を活かせるようなアプリケーションが動けるようにする。ユーザ I/F も工夫し、せめてタッチパネルは載せる。アプリケーションとしてはブラウザ、メール閲覧だけでなく、クライアント型の電車経路探索ソフトや地図ソフトを載せる。Qualcomm の MediaFLO や Vodafone の超流通のように、放送やインターネットを通信に結びつけるような仕組みを作る。そのような場合はパワフルなスマートフォンが向いているだろう。あとはオンラインゲームか。
ちょっとこれでは発想が貧困だが、ADSL 通信環境のパソコンで、ADSL のような常時接続・高速回線だからできるようなアプリケーションをスマートフォンに持ち込むことで、普通の携帯電話にはできないような使い方をスマートフォンにさせ、それでキャリアにお金が入るような仕組みを作ることはできないだろうか。
この場合は、W-CDMA HSDPA で定額制が必要になるので、キャリアにとってはやはり儲からないか・・・
別のコラムにあるように、ここで無線LAN(ドコモならMzone)が登場しそうだ。こちらなら定額2100円/月となる。大部分の通信はこの無線LANで行い圏外の場合はW-CDMAで通信する。ユーザは高価なW-CDMAではなく安価で高速な無線LANを使用する方が得になるし、キャリアもパケット網に高負荷がかかることは防げるし使用料も取れる。
携帯電話で無線LAN、というのは特殊な使い方かもしれないが、ノートパソコンもどきのスマートフォンならそのような使い方もありそうだ。