『大草原の小さな家』を読んだら、やはり『大きな森の小さな家』も読みたくなりました。
ローラ・インガルス・ワイルダーシリーズ、
福音館書店から出ているハードカバー全五巻です。
(岩波書店から続編が出ていますし、新訳による全シリーズが他の出版社から出ているようです。)
わたしは、福音館書店版のハードカバーが好きです。
挿絵が素晴らしいのです。
画家のガース・ウィリアムズは、まだ健在であったワイルダー夫人を訪ね、詳しく話を聞き、舞台となった現地を訪れた上で、まるで共に暮らしていたかのような正確で詳細なイラストをたくさん描きました。
ですから、話の内容とイラストが、違和感なく共存しています。
また、訳者の恩地三保子さんの文章が素晴らしい。
やや古風かもしれませんが、読みやすく、香り高い感じがします。
古きよき、この時代の空気を表すには、訳もこうでなくては、という感じです。
わたしは、特に冬、この物語を開きたくなります。
それはきっと、物語に描かれる冬ごもりの心地よさが、とても印象的だからでしょう。
丸太の家に、暖炉の火があたたかく燃え、
屋根裏には、かぼちゃなどの野菜や薬草、保存食が満ち溢れ、
床下にも、ジャガイモなどの野菜が十分に蓄えられています。
吹雪いても、積もっても、あたたかく心地よい木の家。
母さんが作ってくれる、質素でも美味しいご馳走。
何でも手作りして、大切にする。
物は少なく、片付いた気持ちのよい部屋。
楽しみは、父さんのお話しと、父さんのヴァイオリン。
森にはオオカミがいて、クマがいて、ヒョウもいて、
時には人の命を取ることもある。
でも、父さんがいて、丈夫なこの家があれば、大丈夫。
この感じが、とても好きです。
とても懐かしく、また、わたしが描く本来の暮らし方に、とても近い。
現代の冬は、もう、こんな風ではないけど、
できるだけ静かに、
できるだけシンプルに、
そして、
不足を不足とせず、生きる楽しさに変えて、
大自然の息吹と共に、暮らしていきたいと思っています。
そんな、わたしの原点をいつも思い出させてくれるこの本が、大好き。