ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

『ちいさな手』

2013年05月12日 | Weblog

詩集『いのちへ』に収めた詩のなかの、ひとつです。


『ちいさな手』

私をひっぱる
ちいさな手
やわらかで懸命で
私のこころがぎゅっとなる

いつの日か
その手は
だれかを包み支えるのだろう

そしていつか
悲しみに震える時
悩み立ち尽くす時
幼い頃にその手を包んだ
幾多の手を
思い出せますよう






遠い昔、
ちいさな手を握りしめた大きな手が、ありました。

どこへでも飛んでいってしまう、怖いもの知らずの、ちいさな手。
つなぎとめる大きな手がなければ、今そこにいることは、できなかったかもしれません。

もし、その手が見えなくても、
なかったように思われても、
確かに、誰かに守られ、いまそこに生きています。

そして、その手にこめられた思いは、ずっと、残っていくのかもしれません。

そうでありますように・・・







誰もが、母の子。

華やかな贈り物は、なにも持たないけど、

おかあさん、

ありがとう。













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