神戸の「酒鬼薔薇事件」が学校現場に与えた以上に、佐世保の同級生殺害事件は大きな衝撃を与えました。事件の現場が学校の教室であったこと、仲良く見えた同級生の女子が加害者と被害者に分かれたこと、インターネット社会が小学生の中に深く進行していること、事件のどの切り口をとっても小学生の事件としては例のないものでした。
事件から1年がたつ今日、新聞各紙には、被害者の父親の手記が掲載されまた。「前触れなく娘の記憶が甦り、胃の中が熱くなるような感覚を覚えます」という思いで始まる手記を読むのは悲しく辛いものですが、社会や学校に託した願いが、そこに込められています。
父親は、なぜ彼女(加害者となってしまった少女を父親はこう呼んでいる)が娘を殺さねばならなかったのかを、さまざまな資料や専門家の意見に耳を傾けながら1年かけて探し出す辛い作業を行ってこられました。その結果として達した結論は、「分かりませんでした」というものでした。そして①自分と家族が生きることを最優先にしつつ②これからどう彼女と向き合うべきかに気持ちを切りかえたと書かれています。父親がわかり得なかった事件の真相を明らかにする作業は、社会と教育現場に託されたのです。
父親は「先生、学校、教育委員会へ」という項目の中で、第三者による調査システムを作り「学校や先生は何ができて、何ができなかったのかを究明すべき」と提起した上で、更に少人数学級・複数担任制・管理職と一般の先生・学校と親・学校と地域をキーワードとしてあげ、「改善すべき点があるなら、ほかでもない現場の先生たちが発現、提言するしかありません」と結んでおられます。上げられたキーワードは、そのすべてが東町3丁目小学校での教育活動にとっても重要な意味を持つものばかりです。『かけはし』も、このキーワードを大切にしながら、「子育てと教育」を考えていきたいと思います。(「かけはし」6月1日号より)
事件から1年がたつ今日、新聞各紙には、被害者の父親の手記が掲載されまた。「前触れなく娘の記憶が甦り、胃の中が熱くなるような感覚を覚えます」という思いで始まる手記を読むのは悲しく辛いものですが、社会や学校に託した願いが、そこに込められています。
父親は、なぜ彼女(加害者となってしまった少女を父親はこう呼んでいる)が娘を殺さねばならなかったのかを、さまざまな資料や専門家の意見に耳を傾けながら1年かけて探し出す辛い作業を行ってこられました。その結果として達した結論は、「分かりませんでした」というものでした。そして①自分と家族が生きることを最優先にしつつ②これからどう彼女と向き合うべきかに気持ちを切りかえたと書かれています。父親がわかり得なかった事件の真相を明らかにする作業は、社会と教育現場に託されたのです。
父親は「先生、学校、教育委員会へ」という項目の中で、第三者による調査システムを作り「学校や先生は何ができて、何ができなかったのかを究明すべき」と提起した上で、更に少人数学級・複数担任制・管理職と一般の先生・学校と親・学校と地域をキーワードとしてあげ、「改善すべき点があるなら、ほかでもない現場の先生たちが発現、提言するしかありません」と結んでおられます。上げられたキーワードは、そのすべてが東町3丁目小学校での教育活動にとっても重要な意味を持つものばかりです。『かけはし』も、このキーワードを大切にしながら、「子育てと教育」を考えていきたいと思います。(「かけはし」6月1日号より)