6月7日~9日に行われたキャンプ二日目の午後は、鉢伏山頂(1270m)を目指した登山の予定でした。しかし朝に見た、登山口に立つ吹流しは、麓から山頂に向かい激しくなびき、雨降らしの風が吹いています。案の定、出発直後から降り出した雨は徐々に強まり、高丸山(1070m)付近では下着までずぶ濡れになりました。風も勢いを増し、さえぎるものがない尾根付近では、台風かと思うほど吹き荒れます。山頂への登山は諦め、高丸山で引き返すことにしました。
「雨が痛い!」と言いながらも、子どもたちは懸命に足を踏ん張って歩いています。私は子どもたちが風にあおられてこけないよう、小柄な子どもたちと手をつなぎ、励ましながら歩いていました。その時ある子どもが私にこう言ったのです。「先生、Aちゃんがかわいそうや」Aちゃんは足が思うように動かず、坂道を登り下りするのは危険なため登山には参加していないのです。そのことを知らなかった5年生は、雨の中のAちゃんの安全を心配していたのです。自分の足元が危ないというのに。私は安心させようと、「A君は山登りが危険だから、下でみんなの帰りを待っているんだよ」と答えると、その子は「ああ、よかった」と安心してくれました。
これは雨が突き刺さるように顔に当たり、全身ずぶ濡れになり、手足がかじかんでいる下山途中での会話なのです。「自己中心的」「他人の気持ちが分からない」と言われる現代の子どもたちですが、濡れなかった友だちのことを「ああ、よかった」と言える、そんな素敵な子どもが、私たちの校区に育っていることを嬉しく、そして誇りに思えたのです。世間でどんなエグイ話があっても、学校の中で起こる素敵な話を、この新聞で伝えられることも幸せに思えるのです。
「雨が痛い!」と言いながらも、子どもたちは懸命に足を踏ん張って歩いています。私は子どもたちが風にあおられてこけないよう、小柄な子どもたちと手をつなぎ、励ましながら歩いていました。その時ある子どもが私にこう言ったのです。「先生、Aちゃんがかわいそうや」Aちゃんは足が思うように動かず、坂道を登り下りするのは危険なため登山には参加していないのです。そのことを知らなかった5年生は、雨の中のAちゃんの安全を心配していたのです。自分の足元が危ないというのに。私は安心させようと、「A君は山登りが危険だから、下でみんなの帰りを待っているんだよ」と答えると、その子は「ああ、よかった」と安心してくれました。
これは雨が突き刺さるように顔に当たり、全身ずぶ濡れになり、手足がかじかんでいる下山途中での会話なのです。「自己中心的」「他人の気持ちが分からない」と言われる現代の子どもたちですが、濡れなかった友だちのことを「ああ、よかった」と言える、そんな素敵な子どもが、私たちの校区に育っていることを嬉しく、そして誇りに思えたのです。世間でどんなエグイ話があっても、学校の中で起こる素敵な話を、この新聞で伝えられることも幸せに思えるのです。