教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

地域で育つ~俊介二十歳を迎え③

2008年02月18日 | 障害者とともに
 成人の日、母親の私はうれしさ半分。寂しさ半分(笑)。当日はサポーターと式に参加をした。俊介と一緒に行きたい気持ちはやまやまだったが、娘に「20歳になっても親がついて行くなんてありえん!」と釘をさされてしまった。会場ではたくさんの友人に囲まれてカメラに納まっていた。

 市民会館での成人式の後、母校の○中で同窓会があった。私は保護者なので、隣の部屋にいたが、俊介の周りにはたくさんの友人がいつもいた。俊介にいろいろ質問やら話かけたり、肩くみながらの懐かしい場面がそこにはあった。その後3年1組だけの同窓会がちゃんこ鍋屋であり、俊介も参加した。その日クラスの女の子からメールが来た。「俊くんはやっぱり1組のアイドルでした。」

 友だちっていいな。学校へ行くことが熱心でなかった俊介だが、仲間と過ごした同窓会が心地良いものだったことは、迎えに行った時の彼の優しい顔を見てとれた。

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《連載を終えて》新聞に障害者の成人式が行われたという記事が紹介されていました。成人式の前日のことでした。私はその会が暖かな雰囲気の中で行われたことを喜ぶとともに、そこに参加した新成人のうち何人が本番の成人式に参加するのかなと思いました。

 私たちの○中学校で『二十歳の同窓会』を始めたのは、車椅子での生活を続けた卒業生を成人式に引っ張り出すためでもありました。本人は参加したがっているけれど、お母さん一人の力では車椅子の娘を成人式の会場まで連れていくことは無理だし、晴れ着を着れない娘を華やかな会場に連れて行く勇気もお母さんにはない。そんな気持ちを伝えると多くの同級生が動いてくれました。それから5年。先輩の取り組みは後輩たちに引き継がれています。テレビのニュースで成人式を見るのか、友だちと一緒に成人式に参加するのか、その差は大きいと思います。障害があるないにかかわらず、○中を卒業した全ての皆さんが楽しく希望を持って参加できる『成人式と二十歳の同窓会』が今後も続くことを願っています。


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