教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

不登校問題を考える①子どもが学校に来るということ

2008年04月18日 | 不登校問題
子どもたちの不登校を考える前に、子どもたちと学校がどのように繋がっているのかを考えてみたいと思います。言い換えると、子どもたちがなぜ学校に来ているのかを考えなければなりません。私は子どもが学校に来る要因を次のように考えています。

 ≪第1に規範意識≫学校には行くものだし、行かねばならないと親子共に考えている場合です。
 ≪第2に家庭の力≫子どもを学校に送り出す力で、衣食住の安定を基本としながら子どもの就寝や起床習慣を身に付けさせたり、子どもの抱える問題を解決してやったり時にはほめたり励ましたりしながら登校させるという環境作り全般を指します。
 ≪第3に利益誘導≫将来○○高校に行き××大学に入り安定した生活をしたいという願いです。
 ≪第4に目標≫中学校生活に目標を持っている子どもです。クラブ活動・行事・学校生活・友人関係・学習などに自分なりの目標を持っていて、それを達成したいと考えている子どもたちです。
 ≪第5に楽しさ≫とにかく学校に行くのが楽しく学校が好きと考えている場合です。

 規範意識は大切ですが、既に形成された規範意識に頼っているとそれが崩れると学校は窮地に陥ります。家庭の力も大切ですが、親たちの生活も脅かされている今、家庭の教育力も危うくなります。利益誘導も、それが達成されないことが分かるや否や消え去ります。ようするに第1から第3は学校が作り出したものではないので、そんなものに頼っていては(もちろん「ある」に越したことはないのですが・・)子どもたちと学校の絆はできません。
 
 学校が頼れる子どもとの繋がりは、第4の『目標』と第5の『楽しさ』です。この二つは、学校の取り組みによって伸ばすことができます。不登校・生徒指導・集団づくり・学習指導の取り組みの中で、第4第5の要因がどのように生かされているか意識しなければならないと思います。