教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

小中一貫教育全国サミット2007in京都 報告④

2007年08月20日 | 小中連携
シンポジウム②

【小松】 各地の取り組みを通して現在国が進めている教育改革に一言。

【貝ノ瀬】 新教育基本法で学校・家庭・地域の連携がうたわれる。三鷹市は連携について独自の方針を持っている。しかしそれがあるからではなく、職員の専門性と市民の良識で教育改革が行われている。改革の成功のためには住民が当事者=主権者として学校にかかわる必要がある。その意味で教育=サービス業は一面正しくない。保護者が消費者になり単にクレームをつけるというのでは駄目。共に主権者として教育や学校に向き合わなければ。その意味で教育への市場原理の当てはめは慎重でなければならない。競争は必要だが、それだけでは教育は良くならない。教職員の専門性を信頼し、それを高めることにより教育問題を解決すべき。

【門川】 公立学校に市場原理を導入すべきでない。競争と切磋琢磨とは違う。教育に必要なのは切磋琢磨だ。地域主権・地域分権・学校分権を確立すべき。京都は現行制度でできることは、何でもする。できないことは特区でする。小中一貫教育はまだ手探りだ。4・4・2が本当に良いのかは、今後の実践で確かめる。過度期だ。熱意ある先生は京都にはいっぱいいる。でも小中の文化の差は大きい。乗り越えるべき段差を京都は乗り越える。京都の全小中学校で小中一貫を進める。小規模化の中で部活動は小中一貫にすると小学校高学年の子どもや職員もかかわりができ効果的。市内の300校を画一化せず多様化が大切。しかし通学区域は守る。「あっちの学校が良いからあっちに行く」なんていうことが横行すれば取り返しのつかないことになる。

【川勝】 地域分権のためには、地域を担う人材を地域が育てなければならないと思う。学力を上げるために京都では京都ジュニア検定をしている。子どもの得意分野を作ってやる、地元のことを深く知る、これは子どもを伸ばすために有効ではないか。日本・世界という大きな視野の中で自分や地域を見直す。一点突破ができるとそこから伸びる可能性が作れる。離島・山村の小中学校は、かえって小中一貫の模範を作れる。文部科学省なしでやっていける力を地方がつけなくてはならない。文部科学省の世話にはならんという意識が必要。

【山谷】 教育はあれかこれかではなく、あれもこれもかもしれない。教育再生会議が大枠の方針を考え、文部科学省が中身を詰める。「4・3・2」「5・4」などいろんな取り組みを支援したい。結果として9年というスパンで子育てを支援する体制を作りたい。小中一貫を全校で進めるのか、「6・3・3」を更に見直すのか、教職員定数改善については、今後考えたい。

【布村】 文部科学省不要の意見もあるが、私たちはおおらかに働いている。教育を上下のがんじがらめにしようとは思っていない。多様な取り組みを支援したい。教職員の人件費国庫負担制度について論議してきたが、全国的な基準には未だ必要。改革の主体は学校。チェックするのは教育委員会や第三者機関だ。アンケート結果がある。「6・3」制度の変更についての賛成は14.2%。小中一貫についての賛成は30.2%。小学校での教科担任制導入については44.1%という結果でした。総論では賛成が少ないが、改革の中身を少し提示するとい賛成が増える。

【小松】 今後のお互いの取り組みへのエールを。

【山谷】 教育者は尊い。地域全体がBig Familyになるため国としても応援したい。

【貝ノ瀬】 第一線の先生方が元気になる改革を国にたいしてお願いしたい。教職員バッシングで教育は救えない・

【布村】 全国の創意工夫をバックアップしたい。

【川勝】 小中で教科だけでなく、何を目指しどう生きるのか考えさせて欲しい。東京大学の使命は終わった。全国から東京に秀才をかき集め、その卒業生が自己の欲望のため犯罪を繰り返す。そんな東京大学は解体すべきだ。

【門川】 学校は変わった。文部科学省の頭も柔らかくなった。京都はイデオロギーや政党の争いが厳しい土地だ。でも学校や子どもを良くする一点で一致できた。これからの教育改革でも一致できるはずだ。

シンポジウム終了
つづく