紀州・有田で田舎暮らし

思いつくままに野菜や果実や漬物を作ったり、時には青春する心を求めてさ迷ったり、気ままに田舎暮らしを楽しんでいます。

法事がコロナに振り回された 

2022年09月11日 | 田舎暮らし&家族

滅多に親戚一同が集うことのない昨今。主催者は人一倍、皆でゆっくりと会食しお酒を酌み交わし、いろんな話に花を咲かせ親交を深めたいと願う人だった。

会食を期し、昨年、日にちも決まっていた法事をコロナ禍でやむなく中止し、わざわざ今年に延ばしたほどだった。それゆえ、今年の法事は何としてでも料亭で会食をするとのことだった。

数日前、周りの声にとうとう断念したのか、『料亭での宴会は中止し、法要だけにする』と連絡があった。寂しそうな声だった。

彼の無念さが痛いほど伝わってきた。コロナが、久々の親族の親交さえも遮ってしまった。

 

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昨日、法要だけの法事が行われた。

自分は事情で法要に参加せず、前々日にお伺いし、先に仏さん参りをさせてもらっていた。

昨日、法要が終わってから、ご家族が「持ち帰り用料理」と「引き出物」を届けてくれた。

 

・・・引き出物をみてアリャリャ・・・

ぶどうの袋が入っていた。自分が「御仏前」に添えて持って行った「お供え」も、「種なし巨峰」だった。

ぶどうを持って行って、ぶどうを貰ってきた?

ただ自分が持って行ったのは、近くの「観光ぶどう園」のぶどう。

紙袋をみると、彼の知り合いの「ぶどう園」だった。もらってきたのは、歴史も古く規模も大きくて種類も多い町内にある「有田巨峰村」の「観光ぶどう園」のぶどうだった。

我が家から車で30分はかかるので、普段、皆が買うのは現地ではなく近くの「直売所」。

「シャインマスカット」と「種なし巨峰」が入っていた。

 

・・・珍しい「お寿司」が入っていた・・・

3本の内、2本はすぐに「巻きずし」とわかったが、もう1本は「おっぱ寿司」と書かれた初めて聞くお寿司だった。

※「おっぱ寿司」とは、シャリ(ご飯)が魚を「おっぱしている(方言で、おんぶしているの意味)」みたいにみえることから、料亭独自でつけた呼び方だった。

中を開けると、「さば棒寿司」と書かれたお寿司が入っていた。さばを使ったお寿司では、郷土料理の「なれ寿司」や「早寿司」が有名だが、「さば棒寿司」は食べた記憶もない。

一見、郷土料理の「なれずし」みたいにみえたが違った。載っているさばがバッテラのように昆布締めされていて、しかもよく脂がのっていた。シャリ(ご飯)は、郷土料理の「なれ寿司」と同じく塩味で、「早寿司」みたいな酢飯ではなかったが、「なれ寿司」や「早寿司」より旨みが強く、高級感もあった。

 

・・・「持ち帰り膳」の容器が粋だった・・・

さすが老舗料亭。「和膳」と呼ぶだけあって器(プラスチック)も粋だった。

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引き出物には、商品券やコーヒーセットも入っていた。

その品々をみた我が家の冠婚葬祭担当大臣。

何やら計算していたが、「これ、豪勢な法事やなあ・・・」と。

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それにしても「人と人のふれあい」の機会さえ奪ってしまうコロナ。

共生と称するあきらめ開き直ったかのような風潮があるが、そんな風潮には安易に乗っかれない。ウィルスがどのように変異するかもわからないし、第8波が来るかもしれないし、医療関係者や介護施設職員に過重な負担を強いることになるかもしれないなど、不透明なことが多すぎる。

ウィルスを封じ込める手段が登場するか、安心できる医療技術・医療体制が担保されない限り、人間社会はどんどんコロナに蝕まれ、様変わりしてしまうかもしれない。