三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

GOSPEL。

2023年01月09日 | 鑑賞


ゴスペルにハマる日本人と、日本人の「信仰なきゴスペル」に戸惑う黒人たちの本音に迫ったドキュメンタリー。ブームが起きて30年。日本の音楽シーンに根付いたゴスペルだが、ゴスペルを歌う日本人の9割以上が非キリスト教徒だ。にもかかわらず彼らは、歌の中で神を賛美し祈りを捧げる。米国のゴスペルシンガーは「理解できない」とあきれ顔を見せ、日本人のゴスペル講師は「マス・コーラスという一つの音楽形態に落とし込んで、宗教色を出さない」と割り切る。クリスチャンではない者がゴスペルを歌う。その矛盾に悩む人、まったく気にしない人、キリスト教に入信する人……さまざまな人間模様とともに、日本人とゴスペルの微妙な関係を追究した。 

クリスチャンではない日本人が
黒人の信仰から生まれたゴスペルを歌うこと。

その歴史や背景をまったく無視して
表面的に真似をするだけなら
それは「文化の盗用」にもなるだろう。
背景を共有しないヨソモノに
自分たちの大切なものを軽々しく扱ってほしくない、と感じる人もいるだろう。
一方では、それが共同体を超えて広がって
形を変えていくことも受け入れる人もいるだろう。
歌うことによって救われる人がいるなら
それは宗教的な信仰ではなくても
どこかで通じるものかもしれない。

同じようなことは他にも沢山ある。
日本人がブルースを歌うことは?
ジャズは? ロックは? そもそも西洋音楽は?
そして、そんな問いを繰り返していけば
大阪弁がしゃべれなくて義太夫節ができるか?
津軽人ではないのに津軽三味線を弾くのか?
というような問いにも繋がっていくのではないかと。

正解のない問いだと思う。
いろんな考えの人がいて、
そのどれかが間違いで、どれかが正しい、ということではない。

ただ、その問いを自分の中に持ち続けることは大切なのだと思う。
自分なりの答えが見つかっても見つからなくても
あるいは時とともに答えが変わっていっても。


 椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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►活動予定
 1月25日(水) 三味線三昧@京都・天Q
 2月5日(日) 古今東西 弦MEETING@京都GATTACA
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。
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